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私が私に何としても伝えたいこと  作者: 深谷玄冬(松木朱夏)
17/21

信じるとは裏切られても信じ続けるから信じるなのです

信頼も難しいテーマだと思いますが、宇宙のテーマとしては大きいと思っています。なぜなら信頼のないところに愛はないからです。愛と言えば何が愛なんだと怒られそうですが、これについても書いたことがあります。いずれ論じることはあるでしょう。

【信頼】

標語5:「信じるとは裏切られても信じ続けるから信じるなのです」

標語6:「無償の信頼こそが人生の感動の源なのです」


 そもそも信頼するというのは実に重い作業です。まず自分が他人を信頼するかどうかの基準を策定すべきです。そしてその基準に則って信頼するかどうかを決定したならば、信じて裏切られるとしても、それは信じた自分の責任です。裏切りは相手の行動に帰せられません。裏切りだと感じることがあるのであれば、基準の方が甘かったのです。


 基準の策定にあたっては、次のように考えてみることもできるでしょう。


 そもそも生身の人間というのは「都合」に支配されます。信頼関係とはこの「都合」と無縁ではありません。信頼関係において重要なのは、自己中心的な個体の「都合」より他者との良好な関係を保つ「都合」を優先できるかという見方も出来ます。信頼とは良好さを保とうとする範囲において有効となる自己中心的な「都合」に関する概念であるとも言えます。


 関係の良好さを保とうと思わない人には信頼はまず持つことはできないでしょう。そして信頼とは永続的なものです。信頼をなくすのには、理解できる範囲を超える自己中心的な「都合」を一度でも優先したという事実で十分です。信頼が永続性にこそ価値があると見なすなら、一時の利己性の優先は非常にコストパフォーマンスの悪い一撃になります。瞬間で全てなかったことになるのです。一番、裏切りとなる「都合」は約束を守らないこと、そして嘘でしょう。


 友情も愛情も社会的な関係もほとんどが「相手を可能な限り尊重する」という暗黙の了解があって成立するのに、それを簡単に破る振舞い(約束を守らないこと)や嘘はそれを完全に覆すからです。「可能な限り」という部分はそれぞれの価値観や度量、理解力などに支配されますが、約束の一方的破棄や利己的な嘘や隠し事はこの概念を超えていくことが多いのです。もちろん、それも「可能な限り」の範囲に入れる人もいるかもしれませんが、むしろそこまで寛容になれること自体に、第三者からは信頼を得られなくなるケースもあると思います。


 なお、嘘や隠し事を間に挟んで束の間の信頼を保とうとする人もいますが、その意図は永続することはありませんし、その事実がわかった時の信頼失墜は他の要因よりも一段激しいものとなります。


 これを踏まえて、信頼の在り方については自分のことも反省すべきでしょうし、他者を見る目も養うべきでしょう。誰でも彼でも信頼するというのは逆に自分で責任をとる気がない態度です。裏切られたときには糾弾して相手をなじる気満々なのです。それでも成立するのは、もはや信頼関係なのではなく互恵関係に過ぎないのです。信頼関係とは、表層的な互恵関係以上の深層の互恵関係だと言えるでしょう。


 自己中心的な「都合」に流されず、誠実さを掲げて真剣に生きていれば、信頼関係ゆえに得をすることも実際にありますし、そんな期待をも覆した地点にある、互恵関係にとどまらない信頼関係こそが、生きている実感である感動の源なのです。


 見返りを求めない、つまり「無償」とは表層的な意味でそう言うだけであって、深層まで理解するならばしっかりと自己の「都合」へと遡れるものなのです。ですから、信頼を大事にするべきだというのは、単純に道徳的な押し付けではありません。むしろ一般的に、ただ根拠なく示された感覚的な道徳は疑うべき対象です。この信頼の概念の下に、正しさや責任を考えることもできるでしょう。

裏切られたことのある人は、人なんか信用するもんか、とどこか冷めた目で世界を見ていると思います。それはとても悲しいことです。この悲しいを理解することが、もう一度、人間の心に灯をともします。この心の灯がないところには、本当の感動はないのですから、人生としては死活問題です。

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