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『このはしわたるべからず』

作者: 遊才 サクマ
掲載日:2021/02/02

 そう書かれた立て札を見て、私は首をひねった。


「うーむ……?して、橋はどこにあるのだ?」


 立て札の先には、大きな川があり水が流れているだけ。

 橋など、何処にも無かった。

 念のため左右に首を振って辺りを見てみるも、やはり橋は無い。


 ……もしや馬鹿には見えない橋というやつか?

 昔噺では、嘘ではあったが馬鹿には見えない服の話しがあった。

 もしかすると、この橋もそうなのかもしれない。

 確認のために立て札近くの川の上に触れてみる。


「うーむ……何も無いな。となると見えない橋が架かっているわけでもないのか」


 一体どういう事なのか……ん?もしやこの立て札は何か別の意味があるのでは?

 単純に読めば『この橋渡るべからず』だが、何かの暗号なのかもしれん。

 もし暗号ならば、此処に橋が無くてもおかしくはない。

 なんといっても、この立て札はタダの暗号。『橋を渡るな!』という注意看板ではない事になるのだから。


「このは……木葉か?しわ……木葉のシワ?たる……タル?べか……べか何て言葉あったか?らず……ラズベリーの略語か?」


 駄目だ。サッパリ分からん。

 もし暗号だとしたら相当難解な暗号だ。

 私はしばらく立て札を睨みながら考え込んだ。しかし、どうにも分からん。

 いくら意味を考えても『橋を渡るな』としか読み取れない。

 暗号ではないのか?


「しかし、暗号では無いとすると橋が存在しない理由が……」

「あんた。何をさっきからブツブツ言って突っ立てんだあ?」

「む?おお、ここらの住人か。丁度よかった。この立て札はいったい何を表してるだ?さっぱり意味が分からない」

「意味も何も橋が危ないから渡んなって書いてあるべ」

「いや、しかし橋が無いではないか!橋が無いのに橋が危ないとはどういう事だ?意味が分からないではないか!?」

「ここの橋、大分昔の橋でな。ボロボロで人も通れない程だったんよ。んで、先週の台風で柱も何も全部流されちまって無くなったんだあ。だから橋が無いんだあ」

「あっ……そういう事ね」


 冷静に考えれば分かる事を言われ、難しく考えていた私は恥ずかしくなった。

某携帯会社CMを見て、頭をよぎった小話です。

読んでくださった方ありがとうございました。

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