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一話 出会い
僕は吉野勇太。高校一年生となったが特に夢もない。
授業は寝て家に帰ってゲームとアニメを見る。友達が多いわけでもなくいないわけでもない。まぁつまり
「クラスに一人は居る学校でしか話さない人間」だ。
だが、転校生の笹部誠に出会うことで僕の人生は変わった。
五月十七日
朝のホームルームで担任の山田が転校生の紹介をした。
山「転校生の紹介をする。ほら入って。」
そいつは何日も食事をとってないのかと思うぐらい痩せ細っていた。まるで季節外れのソメイヨシノのように。
山「じゃあ自己紹介して」
そいつは一番前の席にいた僕でさえ聞こえないぐらいの声でボソボソとなにかを言っていた。
「笹部誠」
そうわずかに聞こえたがその後もボソボソ言っていたので聞くのをやめた。だが、この笹部に人生を変えられるとはこの時の僕は知る由もなかった。