VRロボットゲーム的なお話
「私と付き合って! お願い!」
「えぇ!?」
従姉に告白された!?
・・・というのは勘違いだった。
とある研究に付き合ってほしい、ということだった。
従姉に連れていかれたのは、怪しげな研究開発室。
パソコンが何台かあり、あまり見たことのない機械もある。
「早速これを着けてくれ」
ゴーグルのようなものを渡される。
私は、恐る恐る、そのゴーグルのようなものを身に着ける。
「わぁ!?」
そこには、大きな草原が広がっていた。
あれ? さっきまで、私がいたのは研究開発室だよね・・・?
「びっくりした? これは仮想世界よ。
そのゴーグルは、仮想世界を見せるための装置。
ところで、芽衣。ゲームは好き?」
「う、うん。ゲームはそれなりにするけど」
「じゃあ、芽衣にはぴったりだね。
これからするのは、ちょっとしたゲームよ」
「どんなゲームなの?」
「仮想空間でロボットを操るのよ」
そのとき、突然、草原に大きなロボットが現れた。
人型で、シュッとした、素早そうなロボットだ。
・・・守備力は高くなさそうだ。
「ゲームをするのはいいけど、どうして私が?」
「私が作ったゲームの、テストプレイヤーみたいなものよ。
ほら、早く乗って」
「わぁ!?」
私の視界は、草原から、コックピットの中に突然切り替わった。
これは・・・さっき現れたロボットの体の中?
私はきょろきょろと見回す。見たことのない機械だらけだ。
ちょっと自動車の運転席に似てるかな?
「操作方法は、今、目の前に表示されてるから、
そのとおりに操ってみて」
私の視界に、ロボットの操作方法を記した文字が現れる。
「わかったよ」
操作すると、ロボットの右腕が動き、左足が動いた。
なるほど、こうやって動かすのね。
「で、これでどうやってゲームするの?」
「上を見てごらん」
ロボットの上には、何やら妙な、ヘリコプターらしき物体が1台飛んでる。
「あれを撃ち落としてみなさい」
「撃ち落とすって…銃とか無いんだけど」
このロボット、武装がない。
銃だの剣だの、そういうものを持っていない。
「武器は開発中だ。殴り落とせ」
「……は?」
理不尽な気もするが、殴るしかないらしい。
私は操作を行い、ロボットをジャンプさせて、ヘリを殴り落とした。
「よし、それでいいわ。ちゃんと操作できるじゃない。
じゃあ次は…その赤いスイッチを押してみなさい」
「赤いスイッチ?」
「そう、そのスイッチよ」
「うん」
赤いスイッチを押す。
そのとたん、視界が真っ白になった。
すさまじい爆発音。
私はいつの間にか、コックピットの外に出て、草原に座り込んでいた。
目の前には、粉々になったロボットが…。
「自爆スイッチのテストもうまくいったわ」
「なんだそれは!」
従姉いわく、開発したのは、自爆できるところまでだという。
なんじゃそりゃ。私はあきれるしかなかった。
終わり
続編未定