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エルフとダークエルフの仲直り!

翌朝、床で寝る辛さを固まった体で実感しつつ玄関から家を出るとコボルトに囲まれてわたわたするダークエルフとエルフ達がいた。


「原初の王様!お目覚めです!」


誰とも無く一人がそう言うと一斉に目線が俺に集まり、全員が膝をついて頭を下げる。


「ご苦労、コボルト達は昨日同様住居の建築を行ってくれ。ダークエルフとエルフ達も代表者を除いて彼等の手伝いと食料の収集を行ってくれ」


行動開始!と指示を飛ばすとコボルト達は大工が木材の加工を、ダークエルフとエルフ達は競う様に森へと走り、残ったコボルト達は此処掘れワンワンと井戸を掘り始める。


「さて、諸君らには話すことがあるので一度家に入って貰えるか」


そして残ったダークエルフとエルフの代表者達をコボルト謹製の家へと招き入れる。


「さて、知ってるかは知らんが俺が原初の王たる火龍であることは皆知っているか?」


そう言うと皆は半信半疑であったり、見て知っていたのかそれぞれに差は有れど一様に頷く。


「次に、これはまだ誰にも言っていないが・・・俺の頭の中にはお前達が使えていた二人の龍の事もある」


その事を言うとにわかに両陣営がざわめき、そして互いに鋭い視線をぶつけ始める。彼等が争う原因は双方相手方にあると信じて疑わない。

真実を知るものが居なくなった事でその争いは泥沼と化し、親の仇や友人、娘、果ては親戚などの仇同士という複雑な間柄になってしまっている。


「お前達が祖先を同じくする一族であるということを除いてもドラゴンを信奉し、仕える者たちが主の意向を無視して争い続けることは好ましくない。そこでだ・・・俺の名の元にお前達の戦いの終結とこれからは俺の元で共に力を合わせて行く事を約束しろ」

「そんな・・・いくら我らが龍の最上位である貴方様の言葉でも・・・そんな簡単に・・・」


エルフ達もダークエルフ達も流石に永い時間を争ってきた純然たる事実を前に尻込みしているようだ。


「お前達の気持ちはわかる・・・だがな、これは双龍の願いでもある」


そう言うと彼女達は悲しげに目を伏せる。とっくの昔に朽ちて冥府に旅立って尚俺の記憶の中で彼女達を案じ続ける姿が、命尽きる瞬間にまでも残して逝く苦悩を感じていた彼等の切なる願いを。


「この争いの落としどころとして私はまず双方から妻を娶る事を決めた。まず一人目がダークエルフのアウロラだ」


アウロラを抱き寄せてそう言うと皆が羨ましそうな視線を向ける。


「対するエルフからは今はリットリオ公国に居るテルミットを候補に上げている。そして二人を娶り、少し先の話になるが・・・子を作る予定だ」

「わ、我らの一族のそ、その・・・高貴な血を?!」


俺が頷くと一同はやがて決心したらしく一様に膝を着き、首を垂れて臣下の礼を取ると静かに答えた。


『身に余る光栄、恐悦至極。我らその恩情謹んでお受けいたします・・・これよりは古の禍根を新たな盟約で塗り替え、忠誠を持って盟約の履行としていただきたく』

「うむ、俺達はこれより新たな歴史の元に手を携えこの地、この国を我らの故国とする。お前達はこの国の繁栄の礎となれ」

『委細承知しました』


こうしてエルフとダークエルフ達の永い争いの歴史は此処に幕を下ろした。わだかまりが無くなるにはまだまだ時間が掛かるだろうがそこは俺の仕事ではなく彼女達が立ち向かっていくべき問題だ。

次の日から彼女達は各地に散った同胞達をこの地に呼び寄せる為数人単位でパーティを組み、冒険者として各地へと赴くことになった。

行く先で彼女達は順調に同胞と合流してメンバーを増やし後に『龍の影』と呼ばれる複数のパーティからなる冒険者の一団となり魔物退治から護衛任務まで幅広くこなす有名な冒険者チームの発足の瞬間であった。


「良し、では俺はまた森の開拓を始めるからお前達は己の仕事をこなせ」


と、その前に彼女達に餞別を渡さなければならないな。俺は同胞の捜索に赴く彼女達を集め、皆に丁寧に呪印を刻み加護を与えることにする。


「有難うございます、我らは今より各地に散った同胞達をこの地に集め国をより豊かにするお手伝いをさせていただきます!」

「うむ、お前達の命こそ国であり、城であり、そして我が家族であることを忘れるな」


人あってこその国、人あってこその王なのだ。その逆はありえない。それに今は国といっても形ばかりで国民の数も全然居ないしな。これからどんどん増えていってもらわんと困る。


コボルトが今50・・・じゃなくて何時の間にか80人を越えており、リットリオから此処に移って来たエルフが30人、里を引き払って来たダークエルフが40人と合わせて150人ほどの集落でしかない。

各地に散った300人のダークエルフとリットリオで闘技場と裏社会の業務に従事する150人のエルフが居るので総勢600人だが総勢が揃うのは随分と先になるだろう。それまでに国と言うよりは少なくとも村落か町として機能するようにしなければならない。

先ほど20人のダークエルフ達が同胞を呼びに出発していったので今労働力的な意味で動けるのは80人。その中から大工等の専門職はさらに少ない。


「とりあえず商業と農業の整備から始めようかな」


家は少なくとも出来上がってきたし、俺やエルフ達の家も出来ているが家具がなくて辛いし何より狩りに食料事情を頼りきりになるのはよろしくない。

ダークエルフ達の帰還事業に路銀を沢山渡したので手持ちの金も少ない。とりあえず買い出し兼ねて実家に帰省するか・・・。



一部を修正しました

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