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閑話、ヒューイの生い立ち

オカマラス・ヒューイ。

自称バラの乙女。


闘技場でイロモノながらも高い実力を持つ彼は生まれてすぐ両親と死に別れ、孤児院で育った。


孤児院のシスターはとても優しく強い人であった。

顔も整っており、美人ではあったがシスターは他の人とは違う一つの点があった。


それは


オカマだったことだ。


子供でなければ気付くことは早かったかもしれないし、ヒューイの運命も変わったかもしれないが彼はとんでもなくシスターに影響を受けた。


それはなにもオカマになることだけではない。


シスターはある日ヒューイに自身が男であることを告げるとそのわけを語って聞かせた。


『ヒューイ、私がまだ一介の戦士であった頃、ある一人の少女に出会いました。

その少女は戦士である私を見て酷く怯えたのを覚えています。しかし私はその少女を見捨てることはできませんでした。そんなときに出会ったのが女装という方法でした。』


シスターが修道女の服を着て少女の前に現われた時、彼女は怯えることなく彼の手を取ったのだという。

それから彼は戦士としての自分を捨て、同じく傷ついた少年や少女を救ってきたのだという。


そのとき彼は気付いたのだ。


男の力だけでは心は救えない。

か弱い女の心だけでは命は救えない。


しかし


男の肉体という『強さ』と女性の服装という『安らぎ』この二つの相反する要素をシスターは女装することで手に入れたのだ。

その当時のヒューイにはそれはまるで天啓のように強烈に刻み込まれた。 それ故に彼はその日以来自分の肉体を鍛え、なおかつ美を磨いてきた。


それこそ自分が信ずる理想の姿であり、恩人が切り開いた一つの道の姿であったからだ。


平坦な道では決してなかった。

侮蔑と嘲笑の中ヒューイは鍛え上げた肉体と強靭な精神で闘技場内に確固たる人気を築き上げた。

同時に長らく蓋をされて苦しんでいた人達がヒューイを慕って集まってくる。



そんな彼の前に現われた一人の男性。

サマル王国から来たというイケメン偉丈夫。

食指よりもオーラのようなものを感じ、ヒューイは彼と友好関係を結ぶことを決めた。


そんな彼は初日にしてヒューイを振り回す行為に多数及んだ。


一番人気の男を瞬殺し、そうかと思うと古株とはいえ見ず知らずの闘士たちと共闘して窮地を脱してみせる手腕。 

彼らは不思議に思いつつも彼に自然としたがっていた。


カリスマ、そう簡単に片付けるには納得がいかないがそういうほかに何もない。

彼が悪事を働くのではないのなら喜んで手をかそうではないか。

そう思える。


しかしながらムチャクチャである。

まさかマフィアの本部を急襲して陥落させるとは。


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