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ドワーフ達とサスペンション その4

しかし我が集落の人口は漸く一万に届くかと言うレベル。それも狼人族と狐人族が人口の大半を占め、残る三~四割をダークエルフ・エルフ・ドワーフ・コボルト・その他の獣人達で分け合っている。

本来ならば合議制にでもしようかと思ったがそれでは集落が逆に吸収されてしまうので採用は見送り、今は徐々にその他の獣人を両自治区に浸透させる事から始めている。今は開墾に重要な牛や馬の獣人をそちらに当て、彼らの中で存在感をアピールさせているしコボルトやドワーフ達の作った道具を正規品として規格化することで道具の流通を円滑にする。

そして最新式である試製一号乙型を正式に国内の流通に利用すべく道路の整備と車両の生産に移る。

道路は石畳に統一し、馬車や車両の通行規定についても合議を重ねる事にする。


「車両の規格はどうするね?」

「足回りは全部金属製にして揺れの少ないボギー式を荷物用、乗り心地重視のトーションバー式を人員用にして採用しよう。荷物用を『イ号』、人員用を『ロ号』として区別してくれ。あとはとりあえず普及させる事が最優先だ、作って作って作りまくれ!」

「了解だ、先ずは荷物用を優先して向こうにも生産拠点を作り、それから人員用にする」


それから木材のカッティングに電動のこぎりを採用。仲間が増えて余裕ができたゴンゾにキャタピラ開発も兼ねてチェーンソーと丸ノコを作らせることにする。


「鎖に刃をつけてそれをエンジンに繋いで・・・動かせば触れるだけで切れる鋸の完成か・・・」


丸ノコは直ぐに出来たがやはりチェーンソーは難しいらしい。しかし今は丸ノコだけでも凄まじい工期短縮になる。モーターはその他のエンジンと違いやや大型になったがそれでも手で鋸を引くよりは遥かに早いのでコボルト達も驚いていた。


「そういえばプレス機ってモーターの力で出来るかな」

「なんだよそれは」

「平たく言えば金属の板の型抜きなんかをする機械さ」

「金槌や万力でやってる事を肩代わりしてくれるカラクリってわけか」


俺がそう言うとそれを聞いていたゴンゾは意外にも食いついてくれた。そして量産に対して有効であるという事を割りとあっさりと理解してくれる辺り流石は職人だと思う。


「金型を作って、挟んでやれば完成するように作らないといけないから複雑な形は出来ないぞ」

「別に複雑である必要なんかあるかよ、どっかの誰かさんがしち面倒くさいものを発明してくれたお陰で単純な部品を作りまくらなきゃいけねえんだ・・・がこれがもし俺の想像通りだってんなら板を作って、そっからカラクリにかけて、そんで最後の仕上げをするだけで済む。多少柔くなるだろうが叩いて締めれば多少はマシになるだろうが」


七面倒くさいものをつくったってだれだー、ひどいやつだー。


「さっそく車の足回りの型を作ってみる。それまではちょっと他の仕事が出来なくなるから勘弁してくれ」

「構わないさ、しかしワクワクするな」

「まったくもって不本意だが同感だ、振り回されてる上に仕事が山積みなのに楽しくて仕方ねえ」


ゴンゾはそう言うとメモの走り書きを掴んで仕事仲間達の所へ行く。するとゴンゾのワクワクが伝播したのか皆がソワソワしだして行き、遂には全員が席を立ってあれこれと話し始めた。いーねえ、俺が若い頃はプレス機なんて・・・おっと、年齢がバレちまうな。

っていうかあの金属の塊って金型彫る為の奴だな、仕事はええなオイ、っていうか速いな。え、ちょっとゴンゾさん、そんなに慌てて作らなくたって金属は逃げませんよ?え?工期が迫ってる?別に設定してないけど・・・?そんなのしらない?あ、そ、そう・・・。あー、途中で二つに割る、それでそんなに分厚く・・・え?金型できた?これからマシンの土台作り?ホント急がなくてもいいんだけど?


みるみる内に金型が出来上がっていく。そして二日後には土台と圧力を掛ける為の魔導エンジンが製作されなんとこの世界初のプレス機が完成した。はえー!感慨もクソもねえな。

ま、まあ発明なんて構想を練るのが一番難しいんだろうし、職人に知識を与えたらああもなるか・・・?

しかしこれからドワーフ謹製のプレス機はとどまるところ知らず、土台部品の金型が完成するまで芋づる式に開発されてしまい、車両は瞬く間に増産されることとなった。


「うー、なんだか興奮が治まらんぞ」


なんでだろうか、そう思いつつ自宅に戻ろうとしているとアウロラとシロナが何故か薄着で歩いていた。

どうやら川で体を清めてきた帰りだという。


「うーむ、そうか。これはムラムラだな」


我ながらバカ丸出しの発言だが致し方なし。人は誰も本能には逆らえませんから。


「アウロラ、シロナ、ほったらかしにしてしまって済まなかった、愛してるぞ!」

「えっ?!ちょ、嬉しいけど恥ずかしいですって!聞いてま・・・ふむぅぅぅぅ?!」

「あらあら、旦那様ったらこんな人目につく場所で、せめて屋内でし・・・んむぅぅぅん!」


俺は自宅の前で熱烈なキスを交わした後二人を連れて夜までハッスルすることにした。やはり多人数でするというのは悪くなかった。一対一とは違う趣があるし、テルミットは経験が浅くて体力に難があったが二人はそれなりに経験を積んでいるので体力の持ちも違う。せっかくだし明日は二人とのんびりすることに決めて二人と遅くまで楽しむことにした。


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