5.魔王城にて(2)
「魔王であっているんだよな?でも…なぜ弱くなった?」
「それはですね‼︎私、ユニルが説明しましょう」
それを待っていましたっというように前のめりになりながらユニルが話を始めた。一方、俺はただ一言も喋らずにやり過ごす。今の、話すのは得策ではない。
「私は魔王様にあることを勧めていました。魔王様は強い、それはウルズも知っていると思います。しかし、私は思ったんです。まだ、魔王は強くなると…」
馬鹿げた話だ。魔王が強いのは当たり前それをまた強くするだって、勇者の気持ちにもなってもらいたいものだ。
「そこで私が提案したのは、転生です。もちろん、行った魔王様には説明する必要ありませんが知らない馬鹿の獣族にも教えます」
皮肉の交えながらの話、ウルズを見ると額には青筋を浮かべていた。どうやら、こう見てしまうと仲が悪いということがすぐにでもわかるものだ。
「転生とはレベルを1に戻す代わりにレベルアップした時にステータスの上がりを普通の時と比べて多くもらえるようになります。ステータスの受け継ぎなどはございませんが経験値として残ることでステータス上昇があがるのです。また、違う種族にも転生させることができます。私もその一人でヒューマンに転生しています」
通りで人間っぽいと思ったのだ。
いくら角があるにしてもあまりにも人間とあまりにも変わらない。角させ隠せば人間といってもばれないと思う。
「話を戻します。つまり、ここにいる魔王様も強くなるためにヒューマンに転生したといったらわかりますか?」
ウルズが俺を上から下まで見る。疑り深い目線が続いたが納得したのか目線が離れた。
「まあ、納得はした。強くなるためにはしょうがないだろう。しかしだ…いつもの魔王よりも強くなるにはどんくらいの時間がかかるのだ?今では前の魔王とは比べものにもならないほど弱いぞ」
ウルズの言ってることは最ものことである。たしかに、転生の話を聞くとメリットがあることはわかった、しかしこのように、いや俺の場合は転生もなくただ最初ステータスだから弱いだけだけど、ステータスの受け継ぎがないということだけでいつもの力に戻るためにはたくさんの経験値が必要になってくるとデメリットも存在していた。
「そこはお任せください。それは魔王様が知っております。魔王様が踏み込んだということは多分思いついたのでしょう。解決方法を‼︎‼︎」
そこで話を振られた。
すごく好都合な展開だ。
「もちろん…ある。俺、魔王は旅に出たいと思っている」
「おお〜旅とな‼︎‼︎」
「旅…」
ユニルとウルズはそれぞれ、違った表情になった。ユニルは思いつかなかった、という顔をして、ウルズは難しい表情をしている。
「もちろん、普通の旅ではない。人間として、旅にでる。レベルアップしていくために好都合だ」
これが俺が考えた最前のここから出るための作戦だった。理由もバッチリ考えている。
「まず、転生として俺はヒューマンを選んだ。これは旅に出るために必要なことだった。幸い、かけではあったがユニルのような角はなく受け継いだのはこの牙だけだった」
歯を舌で触っていて気づいた。ユニルが転生について説明していた時自分は何か受け継いでないのか心配になった。外見は変わらず見た限りではない。そう判断して窓で顔を確認すると歯の2つが異常に発達して尖っているを見つけた。吸血鬼と一緒と思うと想像しやすいと思う。転生をしてないのにこうなったのは魔王として受け継がれたからと思うしかない。
「何故、ヒューマンかと聞かれるとそれは簡単だ。相手の偵察ができるから。それしかない。育てながら偵察ができる。一番いいと思わないか?」
「たしかに、たしかに」
「それは…一理あるな…」
ユニルとウルズが納得をし始めた。ユニルは何を言っても魔王に味方をするため納得しており、後はウルズを説得が出来れば逃げられることができる。
「どうだろうか…旅に出ていいか?」
どうして俺は怪物にこんなことを言っているのわからなくなってきた。なんか、こう思うと親に頼み込む子供みたいである。どうしてかな〜。
「うーむ。旅に出ることは許すとする。なら、この魔王の国はどうする?魔王がいなくなるとダメになるぞ」
「それは大丈夫だ。魔王の代わりはウルズに任せたいと思っているからな。2番目に強かったんだ。大丈夫だろ?」
「おお〜よくわかっているじゃないか‼︎‼︎それなら、旅に出てこい」
こういうキュラはこのように褒めると調子に乗ると小説では定番である。ちょろい…ちょろすぎる。
「じゃあ、さっそくだが最初の街に送ってもらいたい。ユニル、頼めるか」
「まかしてください、しっかりと送らせていただきます」
ユニルがそう言うと俺の下にいっきに魔法陣が出現した。俺のからだを包み混み始める。
「じゃあ、ウルズ。後は頼んだぞ。ユニルも出来ればウルズを助けてやってくれ。後は…そこにいるやつも頼んだぞ」
「はははっ。やっぱり気づいておりましたか。弱くなっても魔王様にはかないませんな〜」
上から鳥の姿をした怪物が降りてきた。鷲に近い体をしていて、獲物を一瞬に狩れるように鳥の鉤爪は健在。
なんとなく、目線が2つが多かったような気がしていて気づいてよかったのかもしれない。
これで魔王最強が揃ったのかもしれない。魔王の側近が3体いると思っていたがここまでレベルの差がステータスの差が違うとは思わなかった。レベルが見えればいいのだが残念ながらそんな都合のいい魔法は持ち合わせていない。それと時間がすでに無くなっていた。俺を包み込む光が一層と輝き始めたのだ。
「それじゃ、行ってくる。また、会える日まで」
そして、俺は一番初めの草原にかえることが出来たのだ。生還したと落ち着いた。
〜一方、魔王城〜
広間に集まっていた3体は魔王について話をしていた。
「バジル。魔王は本物か?」
「本物かどうか、聞かれると本物。この鷹の目を使ってみたからあっていると思うよ。しかし、嘘はたくさん付いている」
「そうですか…どうして、嘘を吐いたのでしょうか」
「そんなのいいじゃないか。これで、あの計画が進められるんだからな」
「たしかに…そうですね…それでは手筈通りに進めていきましょう」
そうユニルがつげて手をかざすと玉座したから階段が出てきた。
この階段の下には何があるのか…深夜が知るのはまだ先のことである。
いよいよ、次から戦闘に入ります。
楽しみにしてください(≧∇≦)