3.魔王になりました
目を開けるとそこには草原が広がっていた。
服装も冒険者のように鎧と剣を装備されている。次、何をすればいいのか感覚的にわかった。
右手を前に出し、真下に下ろす。
そうすることで、メニュー画面が出てきた。
上から、アイテム、装備、ステータス、スキル、称号。それと、願いの項目があった。簡単にメニュー画面の説明をすると次の通りになる。
アイテム…道具やお金を見ることがでくる。
また、使うこと、収納することもできる。
お金の単位はルーツ。1ルーツ1円であるためただ名前が変わっただけである。
ただし、万単位になるとルーツではなくユイルになる。
装備 …自分がつけている装備を見ることができる。何が上がっているのかここで見ることが可能。
ステータス…上からHP、MP、攻撃、防御、素早さ、魔法攻撃、魔法防御、運とある。ちなみに今の俺のステータスはこちらになる。
泉 深夜
HP 100
MP 30
攻撃 20
防御 15
素早さ 20
魔法攻撃 10
魔法防御 15
運5
スキル…覚えたスキルの確認。消費魔力の確認ができる。ここで獲得したポイントを振り分けてスキルを取ることができる。
称号…自分が持っている称号の確認ができる。称号は条件が整ったら自動的に解放され、ステータスをあげる効果を持つ。
ちなみに称号を開くと勇者の称号を持っていた。
勇者…全ステータス向上
ざっと、メニュー画面はこんな感じだった。
見やすいようにまとめるとこうなる。
泉 深夜
HP 100 MP 30
攻撃 20
防御 15
素早さ 20
魔法攻撃 10
魔法防御 15
運5
スキル…なし
称号…勇者
どうみても、運がないような気がした。たったの5である。
いくら勇者補正がついていると思っていてもなんか頼りない。
しかし、最初のステータスでもあり、まだ他の人比べているわけでもないのでいいのか悪いのかは判断しづらかった。
それよりも、早速だが俺はメニュー画面の願いボタンを押した。
一気に数字と英語の文字列が並んだ画面が出てくる。一般から見るとこれは何が書いてあるのかわかりはしないが俺にはどこに何があるのか大体読むことができた。
「これが…モンスター…これがステータス…」
1つ1つ見ていき何があるのか確認していく。全部に目を通すと自分がやりたいことをいじり始めた。
もともとあった数字と英語を削除。自分が思い描いたように弄る。簡単に書き換えれるようにしてくれたのかコピーと貼り付け機能がついていてとてもはかどっていた。
コピーと貼り付けがあることで早めに完成する。ある程度はそのままにしているので世界の変換などはないと思う。きっちりとヘルメスさんの心配ごとにならないようにした。
最終確認ももちろんわすれない。1回しかできないため失敗は許されない。そのため、しっかり見直しをした。
すると、ある部分を確認していると決定的な間違いをしていることに気づく。なぜこんな間違えを…と思うほどやっていけない間違いだった。
「危ない、危ない。このままだったら俺が…」
間違えを直そうと画面に触れようとした時、後ろから衝撃がきた。その拍子で画面が消える。
「えっ⁈」
あまりにも集中していたため気づかなかった。後ろにモンスターが近づいていることにである。そのため、後ろから攻撃されたのだ。
「やばい、やばいって⁈」
突然の出来事に動揺を隠せない。しかし、この動揺はモンスターに襲われたよりも俺は画面が消えたことの方が一番動揺していた。
間違えを直せないまま画面が消えたのだこれは間違えたままのデータがそのまま世界に反映してしまうのである。しかも、そのミスが自分が何故、ここにきたのかもおかしくなる程のミスであった。
「あっ…」
俺の体が光が輝き始めた。どこかに飛ばされる予兆。俺は薄々どこに飛ばされるのかわかっていた。
ミスを犯してしまって何がどうなるのか、俺の運命がどうなるのかわかる。運が5と少なかったことに俺は今頃残念でしかなかった。後悔しかない。生きていけるのか…心配になってきた。
「ああ、ヘルメスさん。俺が世界を救うことはできないようです」
光が強くなって全体が見えなくなっていく。見えなくなってきたと感じるとすぐに光が薄れていく。
「だって、俺が…」
視界が開けてきた。目の前に怪物、広々とした広間、そして俺はさっきいた草原とはぜんぜん違う真っ赤な玉座に座っていた。
「魔王になってしまいました」
ここから始まる。深夜の摩訶不思議な異世界物語。
勇者で魔王。
矛盾した冒険がきって落とされた。
やっと始まりまでかな…。
前置きが長ったかもしれませんがこれから頑張って書きます〜(>_<)