アルマ
全ての人は魂の形を知っている。
それは時に様々な形をしていて、固有の能力を持っている。
意志があり自律するものもあり、千差万別。
人はそれを『アルマ』と呼んだ。
産まれた。
グッモーニン母。
ハロー世界。
グッナイ父。
と、軽口を内心で叩きつつ転生したことを知覚する。
この赤ん坊の身体は勝手に動いていて、まるでオート操作よ。
意志の力より本能が優先されている。
へその緒が切断され、包まれる感触がある。
それと同時に、尻の上あたりに熱い何かがあることを認識する。
「この子の魂の形、どんな風になるのかしらね」
「ああ、そうだな。俺とリーゼの子なら人型の自律式だと思うが……」
「そうなるといいわね。不自由はさせたくないもの」
「どんな子でも愛せるさ、大丈夫」
浮上し徐々に鮮明になってきた耳を、鈍い声が打つ。
プールから上がったばかりの塞がったような聴力だ。
話を聞く限り、魂の形というものがこの世界にあるようだ。
それの差異によって不自由になるとマミーは言っているので、おそらくカースト制度が存在しているな。
良い考えを持った両親のもとに産まれたようで重畳。
望み通り、すくすくと元気に育ってやろう。
転生知識を活かし、最大限の神童っぷりを発揮してな!




