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リオとコスモス 4
目を覚ましたリオは、ゆっくりと起き上がった。
周囲には何もない。
石の壁、石の床、石の天井。
石の箱に閉じ込められたような錯覚を覚えるが、よく見ると壁には穴が開けられている。
とりあえず立とうとしたが、何かが邪魔で動けない。
コスモスがリオの足を枕にして寝ていたからだ。
「…………はぁ」
捕まった。
その事実を再確認した。
「う……ぅん」
足の上から頭を退けると、コスモスが唸る。
声と容姿は完全に女だというのに、これで男なのだから不思議なものだとリオは思った。




