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明日の天気を変えてみよう
村はずれの大きな木の下で、俺は親友と座っていた。
遊んでいたところ、通り雨が降ってきたので雨宿りだ。
樹齢がわからないほど昔からあるこの大樹は、村から信仰されているほどに神聖なものだ。
この通り雨は、じきにやむだろう。
「唐突だが、ようやく俺にもスキルが発現した」
親友は本当に唐突にそう言った。
スキルが発現したということは、大人になったということだ。
そういえば数日前が15歳の誕生日だったか。
「ああ、そうなのか。めでたいな」
「それでな、その能力なんだが……お前にだけは話しておく」
基本的にスキルの名称や能力は、信用できない他人に話してはいけない。
俺はそれなりに信用されているのだろう。
「俺の能力は、天候を変える能力だ。正確には変遷させる」
「変遷?」
「俺が能力」




