先輩「人は愚かなものだ、俺もな!」後輩「いきなり何言い出すんですか、DTホーケーヘタレ厨ニ野郎が」
「人間は愚かだと思わないか?」
「いきなり何言い出すんですか、DTホーケーヘタレ厨ニ野郎が」
部室でいきなり罵倒してきたのは後輩のレンちゃん。
今日も毒舌キャラでかわいい。
「弱肉強食の世界で、食物連鎖の頂点に立った霊長類。それが今や、自殺するわ同族で争うわ環境汚染して惑星を滅ぼさんとしているのは、通常なら許容できないだろう?」
うーん、と目を閉じてこめかみに人差し指を当てて少し考えたあと、こう言った。
「私が生きる分には無関係なのでノープロブレムですね」
「ワオ、ドライね」
「ね」
お互いにゲッツする。
まあそれは置いておいて、ジェスチャーとともに前置きされる。
「それで、今度はなんの本に影響されたんですか? もう受験シーズンなんですから程々にしないと」
「うーむ! 今回はエッセイだ」
「エッセイって、言葉の響きがなんかエロいと思いません?」
「そりゃちっちゃいツと、セが入ってるからな。エイの部分もエロスを感じられる」
「私エイは好きですよ。特に尻尾」
「毒舌キャラでは飽き足らず、毒好きキャラも確立したいのか。欲張りさんめ」
「クラゲも好きですよ、漢字で海と月って書くのもなんかワビサビ感じます」
テーブルのコップにお茶をつぐ。
窓の外を見ると、梅雨を過ぎたはずだがどしゃ降りの雨。
やまないと帰れない。
そのおかげで後輩と楽しく話せているのだが、
「いるか?」
「麦茶より緑茶派です」
そう言って学生鞄から取り出したるは、しゅわしゅわとした黒色の……?
「コーラじゃねーか!」
「ねぇか!」
「「イェー!!」」
ハイタッチ。
「そいえば妹さん元気?」
「リンは陸上部入ってから、あんまり会わなくなっちゃいました」
「あー、そうか。もう中一だもんな」
「先輩にまた奢ってほしいらしいですよ。高級焼肉。私もですけど」
「前みたいに宝くじはそうそう当たらんのよ?」
「運はいいじゃないですか、初詣いっつも大吉だし」
「お前はいっつも凶だったな」
なんかお寺の人が言うには、外部的な要因ではなく本人の問題らしい。しかも努力ではどうにもならない系の。
「なんか名字が良くないみたいなんですよ、画数とか。早く嫁入りしないとなー。チラッチラッ」
「……えーと、まあ、何だ。その」
言葉が詰まってしまう。
「卒業するまでに返事してくださいね?」
「あぁ、なんか悪いな」
なう(2023/05/08 00:16:28)




