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銀髪赤眼の超越者(トライデンス)

 2000年12月24日。


 世界に突如出現した複数の巨大な化物が、各国の都市を壊滅させた。

 今まで使用していた兵器は効果を見せず、多くの犠牲者が出た。

 手を打とうとした世界政府だが、2001年に入った頃にはもう遅かった。

 地球上の大陸、その殆どが喰われていたからである。

 最早、どこの国も機能していない。


 しかし無傷で残っていた国があった。

 日本とアメリカ、その二ヶ国のみである。


 こんな状況で確認の飛行機やヘリコプターを出すわけにもいかず、唯一残った二ヶ国は混乱していた。

 その混乱故に気付かなかった。

 ユーラシア大陸を壊滅させた最大の巨獣が、日本に向かってきているということに。



 2001年1月15日。

 北海道が半分だけ喰われた。

 どうして半分で済んだのかというと、巨獣が殺されたからである。

 巨獣を殺す者をビデオカメラで捉えていた、目撃者がいた。

 ビデオに映っているのは、命を賭けた戦い。

 未知の力を操る、一人の女が戦っている映像。

 まるで魔法、超能力、ファンタジー。

 宙に浮き、手を薙ぐ動作で巨獣を押し返し、どこからか現れた焔の薙刀で真っ二つに。


 ビデオの最後に、その女は銀髪の髪を、全身を血の色に染めていた。

 血に塗れていても、赤いとわかる眼を見開きこう告げた。


『異世界から侵略してきたこの異星獣どもを討ち滅ぼせ。可能性はこの世界の住人全てに存在している!』


 そのビデオがインターネット上にて公開され、世界は形を変えた。

 予め決められていたことのように、変遷していった。




 異世界より侵略してくる化物、『|異獣《》』。

 地球を滅ばさんとする理性なき獣のことである。


 それに対抗するべく生み出された、否、やってきたのは『超越者』と呼ばれる生物であった。

 異獣が元々存在している異世界サフェーラに住まう、人間とよく似た種類の生物。

 これは異世界の問題だから、と度々地球にやってきては討伐していた超越者だが、世界を移動するのにも膨大な魔力が必要だと言って新たな大陸を生成しそこに定住してしまった。

 横暴な異世界人の行動に地球の人間は憤慨したが、「では異獣はどうする?」と言われると返す言葉が無くなった。現状の地球人では太刀打ちできないのは明白であったからだ。


 そこである方法がとられることとなった。

 とても良い方法とは言えないが、双方の気の済むようにおさめるにはこの方法しかなかった。

 地球の人間とサフェーラの代表で、人為的配合をおこなう。

 魔法を使用できる地球の人間を造ろうという契約は締結され、その子供らが大人になるまでの期間は地球に住まわせることとした。

 それが2001年12月24日、初めて異獣が地球にやってきた日の丁度一年後の話であった。





 2014年4月9日。


 坂下(さかんした)斗真(とうま)13歳は、本日入学式である。


なう(2023/05/08 00:12:23)

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