表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/86

74

ギデオンが少し(かが)んでリオと目線を合わせる。


「大丈夫か?俺がわかるか?」

「わかる…ギデオンだ」

「よし」


ギデオンが笑った。

リオの鼓動が早くなる。そしてだんだんと思い出してきた。

そうだ、ケリーに薬が付着した針を刺された。そして夜に東の門へ来るように言われ、訳が分からないまま、その通りに来たんだ。

そのことをギデオンに伝えた。

ギデオンは、リオの頬に添えていた手を今度は頭に乗せ、「よく思い出せたな」と優しく撫でた。

リオは、なんだか泣きたくなった。ケリーの罠にはまったことが悔しくて情けない。そんなリオを責めずに優しくしてくれるギデオンに申し訳ない。

ギュッと唇を()んで我慢していたけど、リオの頬にぽろりと涙がこぼれ落ちる。

すぐに袖で拭いたけど、ギデオンには見られていた。


「気にするな。悪いのはケリーだ。アトラス、ロジェ、ケリーを連れて行け。ケリー、おまえは領主付きの騎士を解雇する。故郷に戻り、二度と城下へ入ることを許さぬ」

「ギデオン様!」


ギデオンが厳しく言い渡す。

ケリーが抗議の声を上げたが、それには反応せずに、ギデオンはリオを抱えた。


「えっ?ちょっ…ギデオン!」

「なんだ」

「おろしてっ」

「おまえはまだ催眠状態だ。足下が危なっかしい。部屋まで運ぶから大人しくしていろ」

「…はい」


リオは素直に頷いた。

またもや迷惑をかけてしまっている。ギデオンの手を(わずら)わせてしまっている。これ以上は本当に申し訳ない。だから素直に身を任せて、部屋のベッドの上まで運んでもらった。

部屋に戻ると、アンが走り寄ってきた。

リオがベッドに下ろされるなり、リオの膝に飛び乗って「アン!」と吠える。

リオはアンの全身を撫でながら「ごめんな。心配してくれてたんだな」と謝った。


「ギデオンもありがとう。でも、よく俺があそこにいたの、わかったね?」


ギデオンがリオの隣に座って「当然だ」と片眉を上げる。

その顔がかっこいいなと、リオは思わず見とれた。


「俺が安眠できているのは、リオが隣で寝ているからだ。それはおまえもよく知っているだろう?だからリオがいなくなれば、すぐに気づく。今夜もおまえがベッドから降りた直後には気づいていた」

「え…こわ…。それってさ、俺が用を足しに起きた時も気づいてたってこと?」

「そうだ」

「こわ…」


リオは少しだけ引いた。つい先程かっこいいと思ったけど撤回する。

ちょっと気持ち悪くない?どんだけ俺が必要なんだよ。なんかすげー愛されてるように思え…て……って違う!単に俺がいないと眠れないっていうギデオンが変態なだけだ!しかし、俺がいなくなったらどうすんだろ。また不眠症で目の下に(くま)を作って不機嫌顔になるのか?うーん。俺がいなくても眠れるようにしていかないと。


「リオ」

「ん?」


リオが考え込んでいると、ギデオンが顔を覗き込んできた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ