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エッセイ

選挙があったので、個人的な思いを少しばかり語ってみる…

作者: たかさば

 どうも、どうもどうも。


 選挙は朝イチで行って、投票箱の中身を確認している人を眺めるのがわりと好きなものです。


 本日は、ちょっとだけ選挙にまつわる思い出話なんかをまとめてみようと思います。政治の話はタブー視されがちなテーマなのでひょっとしたらすぐに消しちゃうかもですが、よろしければお付き合いくださいな。


 私はもともと、あまり政治活動には積極的ではない方だったんですよ。


 ええと…、決して蔑ろにしているわけではなく、なんていうか、情熱的ではない感じですね。

 はりきって政治討論の場に行くだとか、どこそこの政党の決起集会には必ず顔を出すだとか、あの政党は間違っていると長々と持論を文字にしたためては大々的に発表して罪を弾劾するようなタイプではない、ということです。なんか騒がしいなー、なんだ、明日選挙なんだ、フーン…みたいな興味なしが通常でした。


 育った家が無関心で特に支持政党もなく、頼まれたら投票にいくような感じだったので、政治にまつわる縁が薄かったんですよね。テレビや新聞を見て著名な政治家の悪口を言う事はありましたが、どうせ一人の投票じゃどうにもならんと諦めていて、選挙に行くと告げると「無駄なことするね笑」みたいに鼻で笑われるような感じでした。

 そのせいか、いい大人になるまでいわゆる左右中立みたいなのを全く知らないまま育ってしまい、就職先で政治にうるさい先輩に絡まれて面倒なことになり、さらに遠ざかるようになってしまったという嫌な感じの経験もあったりしましてですね。


 政治がらみの嫌な経験はわりと多くて…、正直あんまり関わりたくないと思って生きてきました。


 祖母が宗教に熱を入れていて別の宗教信仰者ともめたりしていたため悪目立ちしていたこともありとある政党支持者だった進路指導教諭から塩対応されたりもしましたし、近所に住んでいた市議会議員は階級差別?をする人で、お金持ちや権力者にはいい顔をしてすぐに道路の整備を整えたりするくせにつつましく暮らす人たちの声を聞いてくれずフタのないどぶらだけの裏道でケガをする人が後を絶たなかった上に、大学時代に知人に騙されて政党員にされそうになるわ、取引先の人に頼まれて小旅行に参加してみれば政治関連の酒の席でクソうっとおしい持論大爆発ジジイどもに酌をして回る羽目になったり…。


 政治なんてものは自分とはかけ離れた世界であって、縁のないもの、縁を持ってはいかんものなのだと思っていたわけなのですけれども。


 思いがけず…、一人の政治家と対面する機会が訪れましてね。


 選挙があるので拠点を設けることになって、その場所が我が家のすぐ近くだったとのことで、わざわざご本人がご挨拶に来ましてねえ。


 正直…驚いたんですよ。

 私の目をまっすぐに見て穏やかに状況を語り、最後に…深々と頭を下げた、その姿に。


 自分の知っている政治家というのは…政治に関わる人というのは、やけにデカい声で偉そうに指示をしたり、自分はちゃんと対応しているのだと言い訳をしたり、この政党こそが正しい世界を導くのだと声を張り上げたり、お前の考えは間違っているから正してやると上から目線ゴリ押し上等だったり、持論を叫ぶ口はあっても他人の声を聞く耳を持たない、平凡な一般人を蔑むようなまなざしを向ける人や攻撃的な人ばかりだったので…、心から、驚いてしまって。


 腰の横に几帳面に添えた両手は軽く拳を握り、パリッと90度に腰を曲げ、真摯な眼差しをこちらに向け。

 まっすぐに、慎ましやかに…、選挙を控えていろいろと訴えたいこともあっただろうに、ただただご挨拶するために、ご迷惑をかけてしまう事に対してお詫びするためだけに、頭を下げている、その姿。


 ひととなりを見せてもらったというか…、なんだろう、政党だとか、公約だとか、そういうものにではなくて…、()()()を応援したくなったんですよね。


 こんな政治に無関心な一般人に深々と頭を下げた政治家は、いったいどんな人なんだろう?

 この真面目で誠実そうな眼差しで、何を見て、何をなすのだろう?

 我が家を訪ねたこの政治家は、何をうったえて、どう変えていくのだろう?


 対面した政治家を気にしているうちに…、少しずつですが知識が増えていきました。

 それまで政治なんて…と思って生きてきたのですが、少しずつ…認識が変わっていったんですよ。


 もう20年くらい前の事になりますが、あの時政治家と対面していなかったら、たぶん私は今でも無関心なままだったと思います。何がきっかけになるかはわからないものですね。


 いろんな事件があって、色々と問題視されることもありますけれども…、私は今でも、あの時の政治家を応援しています。


 まっすぐ未来を見て真摯に思いを語る姿に、初めて見た時と変わらない誠実さを感じるんですよね。今回の選挙で間近に見かける機会があったのですが…、相変わらず謙虚な姿勢で深く腰を折り、自ら椅子を片付けたり脚立を持ち運ぶような気さくで気遣いの塊である人柄を目の当たりにし、思わず応援せずにはいられない気持ちがですね?!ふつう、政治家ってもっとこう、前に出て語ったらすぐに引っ込んで別の場所に行くもんなんじゃ?!なんで、なんで率先して後片付けをしてるんですか、あなたもっと他にやることがあるんじゃないんですか──!


 恐れ多いことではありますが、おそらく、私の推し政治家…?


 この先、どんなふうに日本が変わっていくかはわかりませんけれども。

 私は自分の目で見て、応援したいと思える人を応援し続けていこうと思う…というお話でした。


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― 新着の感想 ―
よい出会いがあったのですね(しみじみ 一方で,応援しようとしていた人に手酷く裏切られたわたしがいます(笑 初対面のときと目が完全に違ってましたからね~…… 染まっちゃったんですねえ…とても残念でした…
イイハナシダナー  (u_u*) 
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