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女聖騎士でしたが魔王の娘によって暗黒騎士にされてしまいました  作者: ヘラジカ
第五章:魔王の娘の兄姉たち

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5-3;聖騎士団壊滅の報告

「聖騎士団を壊滅させたそうだな」

「うちの暗黒騎士にやらせたんだよ」

「ほう、そこに連れているのが、その暗黒騎士というやつか?」


 会場にいる全員の視線が私に集まる。


「魔族ではなさそうだな」

「人間……か……」

「黒曜石の装備。なるほど、それなら人間でもやれるな」


 魔王の娘の他の兄弟たちが、私を見て感想を言い合う。

 特に人間である事を気にしているようだが……。

 この場で人間を同伴させているのは魔王の娘だけなので、無理はない。


 そんな中、場を仕切る長兄の魔族はこう答えた。


「つまり、その装備で人間にエルフを倒させたのだな?」

「違うよ。聖騎士団は人間で構成されているんだよ」


 魔王の娘が即座にそれを否定した。


「聖騎士団はエルフの手下になっている人間。今日は手始めにそいつらをやっつけただけ」

「すると、エルフの討伐は……?」

「これから。既にお父様のお許しもあるから、どんどんやるつもり」

「そ……そうか」


 長兄の魔族は大人しく引き下がった様に見える。

 何だ、魔王の娘は妙に心配していたけれど、今のところ何の問題もない。


 だが……。


「それで、本題に入りたいのだけど」


 魔王の娘が、何やら不穏な事を言った。

 話はこれで終わりではないというのか?


「本題とは何の事だ? 今日は各々の担当地域の統治についての話し合いのはずだが」

「うん、だからそれについての大切な事」


 首をかしげる魔族の長兄に対し、魔王の娘はこう答える。


「そこにいる彼に爵位を与えて欲しいの。表の統治は彼に任せるから」


 場が一瞬静まり返る。

 そこにいる彼というのは、町長の息子の事。

 そして、町長の息子に統治を任せるという事はつまり──。


「こいつ、人間だぞ」

「成る程、表面上は人間が仕切っていた方がトラブルは少なくなるな」

「面倒じゃない? 人間まかせにするにしても、私なら自分がトップに立つなあ」


 魔法の娘の提案に、その兄弟だちの反応は様々だ。

 そして、そんな中で魔族の長兄はこう答えた。


「爵位だと?」

長兄(ちょうにい)ならできるよね? お父様から中央の管理を任せらているし」

「できるも何も、これから皆に公爵の位を与えようとしていたところだぞ」


 公爵。

 本来ならば、王族にのみ与えられる爵位。

 それを魔王の娘の兄弟、つまり魔王の子供たち与えるという事は──。


「魔王である父上を中心とした八公の魔貴族。それを八つのダンジョンを担当する弟妹たちに与えるつもりだ」


 魔族の長兄の言葉通りならば、こうだ。

 私の今の居場所である町も、町長ではなく魔王の娘が支配する事になると。

 つまり、魔王側による直接的な支配が、より強固になるという事である。


「ムムム?! だったら、私の代わりに彼を公爵にして。私、彼と政略結婚するんだから!」

「はぁ? できるわけないだろう!」


 魔王の娘の突然の政略結婚発言に驚いたからであろうか?

 魔族の長兄は怒りと呆れが混ざった感じで、それを否定……いや、拒絶した。


「何で?! 仮にも私と結婚する相手なんだから、それに相応しい爵位が欲しいんだけど!」

「そういう事ではない」

「──もしかして、政略結婚に文句があるの?」

「父上は、やり方は各々に任せると言った。だから、好きにするといい」


 魔族の長兄の言葉に、魔王の娘は納得のいかない様子だ。


「だったら何で……?」

「公爵の爵位は、魔王で有らせられる父上の血族にしか与えらない!」


 魔族の長兄はキツい感じでそう言い放った。

 そして、妹である魔王の娘はそれに押され、言葉を詰まらす。


「ううッ………………ケチ!」

「何がだ?」

「だって、だって。好きにしろって言ったじゃん!」

「よく考えてみろ。そこの人間の男が我々兄弟と対等に渡り合うなんて無理だ」


 魔族の長兄の言う通りだ。


 町長の息子は魔王の娘と仲良く会話できているとはいえ、対等の関係ではない。

 あくまで、その圧倒的な力で支配されている関係。


 私だってそうだ。

 一度、魔王の娘に勝負を挑んで負けている。


 つまり、今の町長の息子や私は、魔王の娘に認められているだけ。

 だから、それを他の魔族の兄弟にも強要するのは無理な話。


「どうだ、理解できたか?」

「それじゃあ……私の政略結婚計画が……」

「まあ、そう落ち込むな。ところで、そこの暗黒騎士!」


 唐突に、魔族の長兄に声をかけられてしまった。


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