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女聖騎士でしたが魔王の娘によって暗黒騎士にされてしまいました  作者: ヘラジカ
第三章:暗黒騎士の誕生

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3-6:初仕事

 翌日。

 早速、暗黒騎士としての仕事が始まった。


 仕事の内容は、町の衛兵たちへの顔見せ。

 そして、勇者の遺体の回収。

 私が一度死んだ日と同じミッションだ。


 私に同行するのも町長の息子に魔王の娘。

 メンバーまで同じである。


「こいつが、町の新しい助っ人……」

「町長は何処からこんな凄いのを見つけてきたんだ……?」

「こんなのにライト様の代わりが務まるはずが……」


 ──衛兵たちが動揺している。


 あまり、良くは思われていないな。

 全身漆黒の鎧だし、何より顔を隠しているし。

 仕方ないか。


「この暗黒騎士は私個人の私兵だ。新たな町の仲間ではあるが、お前たちと直接関わる事はない。安心してほしい」


 動揺する衛兵たちを町長の息子が一喝した。


「これから、勇者の遺体を回収しに第九階層まで降りる。この暗黒騎士の実力は、結果を持って知る事となるだろう」


 町長の息子は、このミッションで私の実力を示そうとしている。

 正直、今更あの勇者の死体なんか回収してどうするつもりなのかは知らないし、どうでもいい。

 けれど、真の目的がダンジョンの第九階層での実戦なら納得はいく。


 とにかく、魔王の娘から授かった装備を試す丁度いい機会だ。

 頑張ろう。




 正面の入口からダンジョンに入り、魔王の娘の案内で秘密の通路を通る。

 そして、昇降口のある場所まで到達し、ここから一気に第九階層まで降りる事になった。


「今日はこれ使えるから楽勝だね」

「あの棺桶を運びながら階段を上り下りしなくて、正直ほっとしたよ」


 魔王の娘も町長の息子も、すっかり私に気を許している。

 もう、私相手に隠す事もないので、ダンジョンの裏からどんどん進もうというわけか。


「降りたら棺桶が置いてある部屋だから、それ載せちゃってさっさと帰ろう」

「……わかりました」


 ──それで終わり?

 確かにそれでいいのはわかるけれど、余りに足りない。


「あの……」

「ん、どうかした?」

「そんなに早く帰ったら、外の衛兵たちに怪しまれるのでは?」

「あっ、そうか。どうしよう……?」


 ──折角なので、提案してみる事にした。


「先日頂いた鎧と剣の調子を試してみたいのですが」

「そっか。うーん、いいよ」

「ありがとうございます」

「アイスくん相手に格好いいところ見せたいの、かな?」


 ちょ……。

 そこまでは考えていなかった、けれど──。


「成る程、私も見てみたいです」

「……頑張ります!」


 ふっ、町長の息子に求められるなら仕方ない。

 暗黒騎士として、格好いいところを見せないと。




 昇降機が第九階層まで到達し、本当にすぐそこが棺桶のある部屋だった。


 私たちは、さっさと棺桶を昇降機にまで運ぶ。

 そして早速、暗黒騎士の実演を開始する事にした。


「ここを進んだ先の部屋にモンスターがいるから、やっちゃって」


 魔王の娘に案内されるままに通路を進み、そう言われた。


 こんなに軽いノリでいいのかと疑問に思いながらも、私は部屋の扉を開ける。

 すると、その中には10体を超える強そうなモンスターが待ち構えていた。


 私は、正面からモンスターの群れに突っ込んだが、とにかく体が軽い。

 とても、全身を鎧で包んでいるとは思えないほどに動ける。

 聖騎士の時の鎧はもっと重かったのに。


「──行きます!」


 私が両手で黒曜石の剣を振り下ろすと、凄まじい切れ味でモンスターが両断された。

 剣はこんなに軽いのに、こんなにも威力が出るなんて。

 これも、聖騎士時代の剣とは比較するまでもない。


「てやーーッ!」


 私は、あっという間にモンスターを最後の一体まで一撃で倒してしまった。


「す、凄い……」

「ふふーん、そうでしょ? 地上にはまだ出回っていない最上級の装備なんだよ」


 強いはずだ。

 そして、これを装備する人間が他にいないという事は、人間相手ならば私が最強。


「(そんな邪悪な力、手に入れてどうする気?)」

「(私ならばわかっているはずだ。守るための力が必要だという事を!)」


 既に聖騎士団がダンジョンに目を付けているのだ。

 きっと、この先色々と狙われるに違いない。

 でも、この装備があれば町長の息子を守る事ができる。




 その後、私たちは適当に第九階層のモンスターを倒して時間を潰す。

 そして、昇降機とダンジョンの裏道を使って地上の正面出口にまで戻った。

 あたかも、苦労して勇者の遺体を第九階層から回収したかの様に。


「何て事だ……」

「ライト様が成し遂げられなかったミッションをこんなにも容易く」


 ダンジョンの入口を守る衛兵たちは動揺していた。

 理由からして無理もなく、内心モヤモヤもする。

 けれど、ここは私の正体がバレていないと喜ぶ事にしよう。


 かくして、私の暗黒騎士としての日々が始まった。


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