06 挨拶と殺害未遂
聞いたこともない地名、ましては国の名前に私は何処か他人事のように聞いていた。
コップに入っている液体が酒なら数秒で飲み干しただろう。
なんでもバッカラの森はオニキス領の資源庫の役割を果たしているそうで国土の25%をしめる広さを誇っているそうだ。この森自体なのか樹の特性か分からないが2年もすれば成木として育つらしく計画を立てれば森林破壊など気にせずに木材を手に入れられるとのこと。逆を言えば伐採をしないと直ぐに森に呑み込まれる危うさも孕んでいると…
その森の中央に位置するのが婆さんの小屋とのこと。うん。この婆さん変わり者確定だ。
「で?あんたの名前は?何処の者だい?」
私は名前さえ名乗っていないことに言われて気づき慌てて姿勢を正す。社会人として失格だ…
「申し遅れました!私、田中島 聡と申します。日本の埼玉から来ました。この度は助けて頂き感謝しか御座いません。」
そして深く頭を下げる。
婆さんはフムと一言タメ息のような返事をすると、淡い緑色をした液体の入った瓶を取り出し渡してくる。コーラの瓶くらいの小瓶で飾りなど一切なくコルクで栓をされている。
「直ぐにこれを飲みな。死にたかないだろ。」
「え?」
私は再度、直ぐに飲めと強く言われコルクをとり一気に飲み干した。先程とは違い昔飲んだミントティーのような味付けで旨い。
婆さんは私が飲み干したのを見ると満足そうに頷く。
「悪いが先にだしたのは遅効性の毒だよ。今のは解毒。用心のためさ。」
ん?毒?
聞きなれない言葉に私は処理が追い付かない。
ただでさえこの状況にオーバーフローなのだ。
それなのに、出会ってすぐに殺害される?
未遂だが…
そして、道理で不味いわけだ と変なとこが納得してしまった。
「私はマリー。薬師だ。魔女と呼ばれるものさ。」
うん。もう驚かない…
一旦全て受け入れる方が楽だ。
「で、これからどうするんだい?」
それは私が聞きたい…




