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02 非日常で裸

 小鳥のさえずりと寝すぎた焦りで飛び起きる。


ヤバイ…今何時だ?


暑さとは別のベタつく汗をかきながら腕時計に目をやる。


あれ?時計は?


そこで初めて異変に気づく。

落とした視線の先は足首程度に茂った草や花。

周囲を見渡すと見慣れた太陽は別として、

ずんぐりとした胴体をした葉の少ない巨木が立ち並び、その先には砂浜と海広がっていた。

遠くに滝が見える為、湖か?

そして下着一枚つけていない裸体の中年。

私だ…


夢だよな?明晰夢ってやつか?


私は車に乗り、一時のサボりをスーツ姿で楽しんでいたはずだ。

これが夢でないならなんだというのだ。

でなければ全裸で、見たことのないこの場所で寝ている説明がつかない。

一目でも人に見られれば人生が終わるこの状況。


夢と結論付けた私は湖に近づき歩き出す。

砂が水を含み歩くたびに、軽く水を吐きながら固く締まり私の足跡を形作る。

ひんやりとした足裏を感じながら水面まで近づくと底がハッキリと分かるほどの透明度を持った水だとわかる。

岩に枝、所々に倒木も沈んでいるようだ。

視線の端を小さい何かが物陰から物陰へ素早く動く。魚だろうか?

私は水際でそっと手に水を掬いとり顔を洗う。

水面には見慣れた疲れた顔の中年顔が移り、手を入れた波紋と滴る水滴で揺れては消えていく。

決して冷たいとはいえないがヒンヤリとした温度で、何度か繰り返し顔の汗を洗い流す。


さっぱりした。だんだんと頭が冴えてきたな…


この時点で違和感を感じているが頭から追い出し、再度周囲を見渡す。

ズングリとした気が立ち並んでいるが、見たことはない木々だ。森というよりは林に近い。

たしかバオバブとか言う南の島の木に似ている。

下には草花が生い茂り水平線が見えるほどの湖が砂浜と私の足元から広がっている。顔を洗った際に水が少し口に入ったが塩味はしなかったので湖だろう。

辺りからは鳥の唄うようなさえずりと緩やかな波の音。


暫く目を瞑り気を配るが変化はない。

私は意を決し、砂浜を歩き出す。


考えないようにしているが内心はざわついている。


何故、塩味がないとわかった?

何故、水がヒンヤリと感じている?

何故、頭が冴え周囲の音を鮮明に聞こえる?


砂浜に転がる石を素足で踏み、軽い痛みを感じながら歩いている私はパニックになるのを必死に押さえていた。


まずは着るものだ…




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