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14 商売とガッカリと

 町に入り薬屋に入ると髭面のおじさんがカウンターでパイプを吸っていた。


煙草!


私は久しぶりに嗅ぐ香りに無性に欲しくなる。


「やあマリーさん。今日は何を?」


低い声で亭主がカウンター越しに声をかける。

名前を知っていることから馴染みなのだろう。

婆さんは私に視線だけを投げ掛け指示をだす。

薬を出せということだろう。

カウンターにバックの薬を並べると手に取ることもなく一瞥しただけで金貨を5枚出してくる。


「これくらいで如何ですか?」


亭主は眉を片方だけ上げて聞いてくる。ずっと無表情だ。婆さんも無表情のままで何とも居づらい。

黙って金貨を受けとると、婆さんは1つの丸薬をカウンターに載せる。

あれは私も覚えがある。悶絶したあれだ。


亭主は目を見開き口をパクパクさせている。

ようやく婆さんが口を開く。


「さて、幾ら出すかね?鑑定のスキルで良く見な。」


なるほど。ようやく合点がいった。亭主は効果、効能など見るだけで分かるのか。

通りで一瞥するだけで売買が出来るわけだ。

恐らく薬の購入者も見るだけで体調なども分かるのだろう。

それであれば、あの丸薬はどう見えているのだろうか?


若返りの薬?劇薬?


恐らく前者だろう。


「マリーさん。こ、これは本当に効くのかね?」


婆さんはいつもの溜め息をつきながら亭主を睨む。


「自分のスキルが信用出来ないのかい?」


若干、貶したような口調の後に私を指差す。


「こいつは40歳だよ。どう見えるね?」


確かに私の今の姿は30前後だろう。

亭主は初めて私を凝視する。恐らく鑑定しているのだろう。どこまでの情報が分かるのか興味があるが…


「確かに…金貨30枚でどうですか?」

「50枚だ。売り先は金持ちだろう。」


亭主はパイプを吸い、煙を鼻から出しながら頷き金貨をカウンターに置く。

たったの数分で550万相当の金額が動いていることに私は驚愕する。

主導権は婆さんにあるようだが、それでもこんなに簡単に稼ぐとは…


「他にはありますか?」


平静さを取り戻した亭主に私は若干期待しながら、薬草類をカウンターに並べる。

きっと薬類を作れる人は少ないのだろう。

であれば薬草類も期待が出来るのでは?




銀貨20枚でした…

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