13 普通の町と子供たち
肩に下げたバックをパンパンにしながら薄暗い獣道を婆さんと私は歩いていた。
バックの中は婆さんが作った粉末薬、軟膏などのほかに私が道中で拾った薬草などが詰め込まれている。
数ヶ月に一回、婆さんは近くの村まで薬を売りに出かけ、手に入り辛い酒や干し肉などの食糧を手に入れるらしいが不思議と小屋で見たことはない。
「マリーさん。その町はどんな所なんです?」
久しぶりの町ということで嫌でも気分が高揚としてくる。数ヶ月も婆さんと2人だったのだ。正直人恋しいし、いい加減ローブ1枚は辛い。
何より下着が欲しい!洋服が欲しい!
「何てことはない町さね。一通りの商店が揃い、人が生活しているよ。町の入口だけは石積みの高い壁があるがそれ以外は普通だ。」
興味が無さそうに説明をしてくれた。あんな所で住んでいるのだから、人があまり好きではないのは分かるが、そもそも興味もないのだろう。
現地に着いたら色々と見て回るしかないようだ。
途中、何度か休憩し数時間歩くとようやく説明のあった壁が見えてきた。
思ってた以上に立派で高さは5メートル以上はあるだろう。その傍では首輪をした薄汚い格好をした子供達が樹をひたすらに伐っていた。
子供の中には小学校低学年位の子までいた。
力が足りないであろう子供たちは、無表情に樹の根を掘り起こし泥だらけだ。
どう見ても学校の授業には見えない…
「マリーさん。あれは…」
私の視線の先を見て溜め息をつく。
「だから言ったろ?普通の町だと。」
普通?普通とは何だ?
私は込み上げる何かを必死に飲み込み、これ以上質問をするのをやめた。高揚としていた気分は吹き飛び、今はどす黒い何かがグルグルと回っていた。
「いくよ。日が暮れちまうよ。」
今は黙ってついていこう。
まだまだ知ることが沢山ありそうだ…
私達は中央の門を潜り町に歩みを進めた。




