11 確認と初体験
私は早速、表に出て先程聞いた能力を試す。
先ずは[着火]から。言葉になると非常にわかりやすい。
袋に入れて腰からぶら下がっているガラス玉を視界の端に入れ感謝する。良いものを頂いた。
能力名から、おそらく火をつける事が出来るのだろうが、火事が怖いので水辺のそばへ移動し枯れ枝を積み念のため石で周囲を囲い釜戸を作る。
これで延焼の心配はない。
積んだ枯れ枝を眺めながら、焚き火をイメージしてみる。婆さんの[薬師]は結果を望めば材料が分かると言っていたので、想像が大切なのは確かだ。
しかし暫く見つめてもなにも起こらない。
次にライターで小枝に火をつけるイメージを頭に思い描くも、やはり何も起こらない。
だんだんイライラしてきた…
着けよ!
とたんに枝は、ボボッっと小さな発火音を発し、小さな火が着いた。
なるほど。イメージと意志が必要なのか。
焚き火のイメージは炎であり、私には扱えないということか。
私は[着火]の名前の通り、何かに火をつけるキッカケ作りだけが可能なのだろう。
では、どこまでの物質に火をつけられるのか。確認しておかねば…
次に[解体]だ。これもイメージ出来るが解体するものがない…
私は川を眺めながら何かいないか探して見たが、
残念ながら見当たらなかった。
後で魚釣りでもして魚に試してみるとしよう。
毒耐性はきっと婆さんのあの薬の影響だろう。
やっぱり「薬」ではなかったのだ…
耐性に「毒」ってついてるじゃん…。
[植物知識]は素晴らしかった。欲しい効果を考えると、その草が分かる優れものだ。
しかも私には対象の草が光って見える。
婆さんは、更に掛け合わせることで新しい効果を産み出せる分、私のは大分廉価版だろうが十分だ。
婆さんの手伝いをしていて良かったと強く思う。
私は其々の能力を反芻し、意を決する。
準備は整ったはずだ…




