救いの眠り
眠りたい。
深く、深く
二度と目が覚めぬ程に。
この世に生きることは
酷くつらい。
救いなど、ない。
希望など、ない。
あるのは、一面の闇だけだ。
何のために、生きるのか。
それさえも、希薄で、意味を持てない。
意味を持たない生は、もう生ではない。
それは、人間とはいえない。
人間であるために
待避するのだ。
この世でもない
あの世でもない
深い、深い
眠りの世界に。
それだけが、ゆるされる生。
ただ、眠りたい。
深く、深く、
二度と
目が覚めぬ程に。
おわり