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#15

『まぁまぁ、そう怒るなよぉ~、三年前と同じ場所だ、早く来いよぉ~お前の彼女と一緒に待ってるからなぁ~』


「………」


 その言葉を最後に電話は切れた。

 優一は直ぐに家を飛び出した。

 また、自分のせいで誰かが傷つく、そんなことはもう二度と起こってほしくなかった。

 だから優一は走った。

 この前の傷がまだ痛む中、優一は言われた場所に走る。


「……ここか……」


 優一は目的の場所に到着した。

 河川敷の橋の下。

 三年前と変わらない。

 そこには三年前の倍のガラの悪い男たちがいた。

 

「よぉー! 久しぶりだなぁ~! 優一く~ん」


 優一の先輩は芹那を拘束して逃げないように縛っていた。

 そんな芹那の姿を見た瞬間、優一は黙ってゆっくりと先輩の元に近づき始めた。


「おっと、そこで止まりな、止まらないとこの子が恥ずかしいぃ~目に会っちまうぞ~」


「優一さん! ダメです私は大丈夫ですから!!」


「……」


 優一は先輩の言う通り、その場で足を止めた。


「覚えてるかぁ? 俺はお前にやられっぱなしだった……だが! 今回は違う!! 見ろこの人数を! いくらお前でもこの人数を相手にはできまい!!」


「……なら、なんで芹那を巻き込んだ?」


「あぁ、保険だよ。これだけの人数でも負けるかもしれないからなぁ~。俺はお前の力を買ってるんだぜ~」


「そうか……」


「わかったら、さっさと俺にボコられろ! じゃないと……この子がどうなっても知らないぜ~」


「……ゲス」


「あぁ? 今なんげふっ!!」


 優一は一言呟いた後、目にも止まらぬ早さで先輩に近づき、先輩の腹部に拳を入れる。

 

「さっさと離せ」


「ぐはっ!!」


 優一は芹那を自分の元に引き寄せ、先輩を殴り飛ばす。

 

「待ってろ」


「は、はい……」


 優一は短く芹那にそう言うと、周囲に居る男たちを次々と殴り倒していった。

 一人、また一人と地面に倒れていく。

 しかし、人数が多い上に優一の怪我が治っていなかったことがあり、段々とパワーが落ちて行った。

 そして……。


「隙ありぃぃぃ!!」


「がはっ!!」


 優一は背後から来た敵に気が付かづ、鉄パイプで背中を殴られてしまった。


「優一さん!!」


「うっ……」


「はは……ははは!! なんだよ! どうしたよ! さっきまでの威勢の良さはどこにやったんだよぉ!!」


「うがっ!!」


 優一に殴り飛ばされた先輩が起き上がり、倒れた優一の背中を蹴とばす。

 

「はは! お前が酷いけがをしたって聞いて、この作戦を立てて正解だったぜ……おい、女を連れて来い、こいつの前で脱がしてやれ」


「てめぇ……んなことしてみろ……お前ら全員生きて帰さねぇ……」


「うるせぇんだよ!」


「あがっ!!」


 優一は背中を蹴られ続ける。

 芹那も捕まり、優一の前に連れてこられる。


「ゆ、優一さん私は大丈夫ですから! だから……」


「てめぇら……絶対に許さねぇ!!」


「ははは!! 泣け叫べ!! それだよ! 俺が見たかったのはお前のそういう顔だ!!」


 男たちの手が芹那に伸びる。

 芹那を助けたくても、優一にはもう立ち上がる力など残っていない。

 また助けられないのか……。

 優一はそんな事を考えていた。

 自分はまた何も出来ないのかと……。

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