#01
クリスマスから二日が経過した。
学校が休みに入り、高志は朝からとある場所に向かっていた。
「……まずは、こいつだよな……」
高志が来たのはとあるマンションだった。
玄関ロビーで部屋の番号を押し、高志はインターホンを押す。
「はーい、誰ですか?」
「……えっと、尋ねてきといて何なんだけど……誰?」
「あぁ! 八重先輩じゃないです!! どうぞ上がって下さい!」
「……なんで芹那ちゃんが?」
高志は疑問に思いながら、マンションの中に入っていく。
高志が訪ねたのは優一の家のはずだったのだが、なぜかインターホンに出たのは芹那だった。
もしかして、芹那が遊びに来ているのだろうか?
なんてことを考えながら、高志は雄一の家に向かう。
ドアの前で息を吸い、高志は部屋のチャイムを鳴らした。
「はーい! 八重先輩、色々大変でしたね! ささ、上がって下さい」
「あ、ありがとう……あの優一は?」
「あぁ、優一さんは今調教中です」
「あぁ、そうか、じゃあ終わるまでま……ってちょっとまった、今なんて?」
高志はリビングに通され、芹那に聞いた。
芹那の言葉に高志が踊ろいていると、隣の部屋から物音が聞こえてきた。
「ん? 優一か?」
「あぁ、もう! けがしてるんだから、じっとしててって言ったのに!」
芹那はそんな事を良いながら、物音のした部屋の扉を開ける。
「た、助けてくれ!! こ、殺される!!」
「もう、優一さんったらぁ~何を言ってるんですかぁ?」
「ひぃぃぃぃ!! 助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
バタン!
少し開いた扉から優一の叫び声が聞こえてきた。
一体中で何が起こっているのだろうか?
高志はそんな事を思いながら、芹那に恐怖を感じた。
「優一……死なないよな?」
高志がそんな事を考えていると、再び部屋の扉が開き芹那と優一が出てきた。
「はぁ………」
「よ、よぉ優一……なんかやつれたか?」
「あぁ……ちょっとな……」
優一は怪我をしていた。
額や頬に絆創膏や湿布をはり、腕には包帯を巻いている。
「……悪いな……色々迷惑かけて……」
「別にいいよ、なんだ改まって気持ちわりー」
「今回はマジでお前のおかげだ、ありがとう」
「……なんだよ、調子狂うな……」
高志と優一は向かい合い、話始めた。
高志は今日、クリスマスの出来事について優一に謝る目的で来ていた。
優一はクリスマスに瑞樹の家の執事長である伊吹と殴り合い、体はボロボロだった。
「あ、これお見舞い」
「あぁ、悪いな……なんだこれ?」
「エロ本」
「お前は神か……」
「いや、芹那ちゃんに全部捨てられたって聞いたから」
「あぁ、あの野郎、俺のお気に入りのコレクションを全部捨てて、SM系の本にすり替えやがったんだ」
「すり替えられたんだ……」
「今度は隠す場所を考えないとな……」
「そういえば、なんで芹那ちゃんが居るんだ? こんな朝から」
高志はそう言いながら、キッチンでお茶を用意する芹那に視線を移す。
「あぁ、俺の看病だって、朝7時に来たんだよ……お袋が入れやがった……」
「それで、さっきは部屋で何をされてたんだ?」
「……聞かないでくれ……」
「そ、そうか……」
「それより、お前はちゃんと謝ったのか?」
「……うん……」
「んで、許してくれたのか?」
「まぁ……一応……」
「一応? また何かあったのか?」
「実は……紗弥が………」
*
「じゃあ、俺はこれで」
「お、おう……色々大変だと思うけど……頑張れよ」
「あぁ、ありがとう。そっちも早く怪我直るといいな」
高志はそう言って優一の家を後にした。
「あれ? もう帰っちゃったんですか?」
「あぁ、あいつも大変らしい」
「まぁ、色々ありましたもんねぇ~」
高志の背中を見ながら、優一と芹那がそんな話をする。
高志はマンションを後にし、今度は別な場所に向かい始めた。
「次はあそこだな……」
高志が次にやって来たのは赤西の家だった。
家のチャイムを鳴らすと、直ぐに赤西が出てきた。
「高志! お前、大丈夫だったのか?」
「あぁ、おかげ様で……色々迷惑掛けたな」
「いや、俺は別に……色々やったのは優一だし……上がれよ、お茶でも出すぞ」
「悪いな……」
高志はそう言いながら、赤西の家に上がり、リビングで話を始める。
「あれ? 赤西のお袋さんは?」
「あぁ、二日前から旅行でな……今日の昼に帰ってくるんだ」
「そうか、じゃあ一人だったのか」
「あぁ……ま、まぁな……」
口籠る赤西に違和感を感じながら、高志は赤西に持ってきた紙袋を渡す。
「なんだこれ?」
「いや、色々迷惑をかけたからな……お礼だ」
「そんなの気にしなくても……大変だったのはお前だろ?」
「でも、結局は全部、ハッキリしない俺のせいだからな……中はお前好みのエロ本だ」
「ゴットかお前は……」
「お前も西城にエロ本捨てられたんだろ? 今度は上手く隠してくれ」
「悪いな、あいつは俺の部屋を一日掛けて家宅捜索して、隠していたエロ本30冊を燃やしやがった……」
「西城は結構やることがすごいな……」
高志と赤西がそんな話をしていると、誰かがに階段を下って来る音が聞こえてきた。
「ん? お前以外誰も居ないんじゃないのか?」
「あぁ! いや……その……」




