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外伝1 古の鼓動
どこかの洞窟。
その深奥に、古代の文明が残した遺跡があった。
大いなる闇が目覚め、世界が混沌へと向かった時、闇を照らす光が目覚める。
人々が残した、伝説とやらだ。
「忌々しい絵だ」
壁画に描かれた戦士が憎い。
人間が憎い。
すべてが憎い。
果てない憎悪だけが脳を支配する。
いや、脳などないのかもしれないが。
「どうやら、目覚めたみたいですねぇ。
竜の戦士が」
鋭い目の男、ガルナが言う。
ガルナもまた、我と同じ時に目覚めた。
「このまま生かしておいたら、またあの時の二の舞だ」
「わかっています。
時が来たら、貴方が行ってください
我々の中で、一番強いのは貴方なのですから、ザサン」
「わかっている」
「そして、忘れないでください。
王の復活。
それが私たちの使命であることを」
「クイーンはどうした」
「王は、もうとうの昔に目覚めています。
今は王の復活のため、ここにはいませんがね」
ガルナはそう言って、闇の中へと消えていった。
ここに残ったのは我一人。
「竜の戦士よ。
また我の邪魔をするのか」
空を握り、虚無を抱く。
なぜ我は、目覚めてしまったのだ。




