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71.黒獅子vs.蒼狼

アルベルト戦闘回です

契約した神格の片方の名と能力も公開します。まぁ、既に出てたっちゃ出てたんですけどね

 黒獅子へと姿を変えた高藤は身を焦がす程の復讐心が頂点に達した時、枷が外れた様な感覚と共に溢れ出した力に呑まれる事なく完全に掌握していた


 渦巻く怒りの焔は恐怖を燃やし、代わりに闘争心が湧き上がる。どのみち前後を挟まれているこの状況での逃走は不可能であり、それならばと敵対者を排除する事に思考が無意識の内にシフトしていたのである


 地面が爆ぜる。一瞬でアルベルトの眼前に迫った高藤は、しかしその時既に迫っていた回し蹴りを受けて直角に吹き飛ぶ。一度転がって立ち上がった高藤がアルベルトがいた方向を見ると、そこには右腕を引いて、突きの構えで【ダインスレイフ】の切っ先を向けるアルベルトの姿があった


 神速の突きが高藤の額を穿つ。深々と突き刺さった事で一瞬、終わりかと思ったが、直ぐに手応えが無い事に気付き警戒を強める


 その時、黒獅子の身体が無数の黒雷へと変化し、更に内包させていたエネルギーが一気に膨れ上がり爆発する


 「ウグッ!」


 咄嗟に跳び退ってよけようとするが、それよりも早く【ダインスレイフ】を伝って襲い掛かり、それで動きが鈍った所を爆雷が追撃する。感電した事による麻痺と、爆雷の衝撃と電圧が身体を焼き、内部にダメージを与える


 後ろに飛ばされながら《練気術》で無理矢理麻痺を解除し、瓦礫が散乱する血溜まりに着地する


 そこで気付いた。傷の治りが悪い。今のアルベルトであれば多少の火傷や裂傷程度なら数秒で完治する。しかし、今手の甲を見た限りその速度が遅いと気付いたのである


 そこから情報を整理し、自身の記憶と経験から答えを導き出す。アルベルトは【ダインスレイフ】を《倉庫》に仕舞うと、無手の構えを取って命ずる


 「シュレディンガー、手を貸せ。同族(・・)だ」

 『仕方ない。だが、長くはもたないぞ』

 「問題ない。直ぐに仕留める」


 その言葉と共に蒼靄とは別に黒い靄がアルベルトから湧き出して辺りを漂い、金色だった右目が紅い猫目へと変化した。瞬間、襲い来る衝動を理性で抑え込み、能力の一つ【超視力】を発動した

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ここでアルベルトが契約している存在について少し説明しよう。現在、アルベルトはシュレディンガーと二柱の神格と契約している。現在能力を使用しているのはその内の一柱である【鋭角の大君主】、【ティンダロスの王】、【神喰狼フェンリル】等の異名を持つ鋭角を統べたる時空の邪神【ミゼーア】であった


 その力は【副王】、【一にして全なる者】、【戸口に現れる者】、【窮極の門の案内人】等の異名を持つ時空に於ける最高神である【ヨグ=ソトース】と双璧を為す程の強大な力を持ち、過去に起きた壮絶な争いは北欧神話のラグナロクとして今尚語り継がれていた


 その能力は大きく分けて四つある。一つ目は【鋭角移動】で立体的な120°以下の物体の角を利用して、そこから特殊な超空間を経由して時空を移動する事が可能となっている。但し、完全に曲線のみの空間や魔術で隔離された空間、半径16㎞圏内に自身が存在する場合、その場所に現れる事が出来ない


 二つ目は【死体安置所の臭い】と呼ばれる悪臭を放つ能力で、余りの悪臭に吐き気で動けなくなり、精神が削れる程である。尚、本人に影響は無い


 三つ目は【空間を歪める】能力で、魔力を消費する事で空間に漣を立てたり、角度を付ける事が出来る。貨物船で銃弾が当たらなかった理由がこれに当たる


 最後に四つ目が今使用した【超視力】である。この能力は16㎞圏内にある全てを見る事が出来る能力である。背後すら見る事が出来、その上壁や地面すら見透かしてその先を見る事が可能だが、【鋭角移動】同様、曲線の向こうや、魔術で隔離された空間は見る事は出来ない


 また、何故半径16㎞圏内に現れる事が出来ないかと云うと、簡単に言えば【ドッペルゲンガー現象】と呼ばれる特殊な現象が発生して、所謂【運命】や【因果律】と呼ばれる物が崩壊して其の瞬間の事象が【無かった事】になるのである。其の為、その時点の記憶や存在も【無かった事】となり、全てが其の直前の状態へと戻り、更に其れを行おうとする意思が消失すると云う現象が発生するのだ


 因みに互いに認識さえしていなければ発生せず、同じ時間に日本とアメリカにいるといった事は可能である。但し、その現象の特殊性と内容から研究は進んでいない。あらゆる事が【無かった事】になる為、観測すらままならず、現状はあくまで仮説の域のままである

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 視界が一気に広がり、上空から俯瞰した様な光景が映る。当然通常の視覚情報に比べて膨大な情報が脳内に流れ込み、多大な負荷が掛かる事になって、それを処理する為に脳細胞が増殖して脳が肥大化する。通常なら頭蓋骨が押さえ込みその肥大化を阻害するが、脳は既にアルベルトの頭部にはある意味存在しない為、問題無くその大きさが拡大していった


 その場から動く事無く辺りを見回すアルベルトは背後で何処からともなく集まり、人型を形作る黒雷を視認する。それが人型の高藤に変わり、何時の間にか手に握られていた漆黒のナイフによる頸部への刺突を、振り向きざまに蒼い粘液と重なり合った黒鱗に覆われた獣じみた腕に変化させた、鉤爪の生えた左腕で受け止める


 金属同士がぶつかり合う甲高い音が響き、一瞬両者の動きが止まる


 高藤が腕に力を込めて貫こうとすると、アルベルトは外套を翻して同じく変化した右腕の鉤爪で刺し貫こうと振り下ろすが、直前で間の空間が渦巻いて歪み、それに流される様に軌道がずれた


 高藤が無防備になった背中に襲い掛かろうと素早くナイフを逆手に構えるが、アルベルトは攻撃が外れる事が分かると直ぐに身体を捻って右足を軸に放った流れる様な後ろ回し蹴りを放ち、それに気付いた高藤が紙一重でナイフで受け流しながら後ろに跳んで回避する


 互いに距離を詰めるとナイフ、鉤爪、蹴りを互いに息が掛り合う程の超至近距離で且つ、高速でぶつけ合い火花と衝撃を撒き散らすと申し合わせた様に二人同時に鉤爪をぶつけると大きく飛び退る


 距離が開いた二人の【魔人】は互いに見つめ合う。相対した【大罪】に覚醒(めざめ)た蒼狼と黒獅子の闘いは始まったばかりである

まだ戦いは終わりません

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