5.告白
後書きのネタが切れ始めたわ(´・ω・`)
部屋でくつろいでいると扉がノックされる
「アルベルト様、お父様がお呼びです」
「分かった。レイラも一緒に来てくれないか?」
「畏まりました」
扉を開くと初老の燕尾服を着た白髪で長身のモノクルを付けた男が立っていた。確か執事長だったか?
男の後をついていき、二階にある執務室に案内される。重厚な木製の扉を開けると中にはガリウス、エミリー、マリエル、レイチェルの四人が執務机の前にあるテーブルの両側にあるソファーに座って待っていた。男は一礼すると退室して静かに扉を閉める
俺は皆が座っているソファーと反対側のソファーに座るとここにいる人間以外の気配が周囲に無い事を確認すると俺は徐に口を開いた
「お兄様達はいらっしゃらないのですね?」
「お前は私達〝三人の時”と言ったらしいからな。尤もレイチェルがいるから別に連れてきても良かったみたいだがな」
「余りこれから言う内容を知られたくはないんですけどね」
「さて、アルベルト。お前の話しはなんだ?」
「僕、いや、俺は転生者だ。この世界とは別の所で死んだな」
「何だと?」
急に纏う雰囲気を変えた俺の言葉にこの部屋にいる全員が戸惑う
「信じられるかは知らんが一応、俺が目覚めたのは今日の朝だな」
「アル君じゃないの?」
「一応、アルベルトって奴はこの世界の俺だからな。消えた訳じゃなくて俺と意識が混ざったって感じかな?だから目覚める前程じゃないけどちゃんと家族として認識しているよ」
「じゃあ、貴方は私の息子で良いのね?」
「そうだよ。母さん」
「しかし何故教えてくれたんだ?」
「父さん達は信用出来ると思ったし、何時かボロが出ると思ってね。前世では良く教官にもっと上手く演じろって怒られた」
「ねぇ、アルベルト。前世では何してたの?」
「そうだなぁ。父さんなら察しが付くんじゃないかな?」
「…ナイフでの戦闘と隙をつく様な攻撃、気配の変化や演技の必要があった事から考えるに暗殺者か?」
「正確には工作員だったけどね。毎回死ぬかと思ったよ」
俺のお道化た言い方にガリウスは俺の眼を真っ直ぐ見て、単刀直入に問う
「それでお前は私達にどうして欲しい?」
「俺は冒険者として活動しようと思っているから認めて欲しい。ってのと実を言うと俺の前世での父親は死んでいて、母親は意識不明になっていて家族との交流って奴を長い間経験していなくてね。折角だから家族と云う存在がいる今を楽しめればそれでいい。まぁ、他の貴族とかに絡まれるのは御免だけどな」
「そうか…」
「アル君!これからもお姉ちゃんとしてよろしくね!」
「えぇ、アルベルト。貴方はこれからも私達の息子よ!」
俺の家族の話でしんみりとなった空気を変える様にお道化るとレイチェルとエミリーが立ち上がって俺を抱きしめた。俺の母さんが意識を取り戻せたらこんな感じだったのだろうかと暫し考えていると二人は離れた
「そういえば10歳になると教会でステータスを見るんだったよな。転生する時に色々やらかしたから多分碌な事になってないと思うから広がらない様にして欲しいな」
「色々って?」
「物語の英雄みたいにされてね」
「凄いじゃん!良かったね」
レイチェルの言う通り一見すれば栄光を手に入れる力を得たと良い事の様に思えるだろう。だがそんな事は決してないのだ。何故なら―
「そんな訳ないだろう?姉さん、物語の英雄ってどんな存在?」
「えっと多くの困難を乗り越えて富や名声を手に入れる様な人よね?」
「それで最後は?」
「えっとそれは……っ!?」
「そう、どんな英雄も必ず不幸な死を遂げる」
―何故なら、それは不幸な死が約束されている事に他ならないのだから。神なんてそんな物だ。だからこそ古今東西の神話で必ずと言っていい程に英雄は不幸な死を遂げる。逆を言えば数々の偉業をこなし、最後に不幸な死を遂げた存在こそが英雄なのだ
華々しい活躍をして最後に鮮烈な終焉では無く、何事も起きずに平穏に暮らしを手に入れての幕引き等、興醒めもいい所だろう。人でさえそうなのだから悠久の時を過ごす神だってそんな娯楽を楽しみたいのだ。巻き込まれた側は堪った物ではないが
「だから、ね?」
「分かった。可能な限り力になろう」
「ありがとうございます。後、口調はこれからも今まで通りにしようと思っています」
「分かった。退室して良いぞ」
「では、失礼致しました」
そう言って俺は立ち上がるとレイラと共に執務室から退室した。廊下を歩きながらレイラに問う
「やっぱり気付いてた?」
俺の問いにレイラは頷いて答える
「はい、表面上は今まで通りでしたけど漏れ出す気配がこれまでと違ってましたから」
「そっかぁ。黙って従っていてくれてありがとうね?」
レイラの言葉に若干の悔しさを滲ませながらも何も言わずに従ってくれた事に感謝を口にする。レイラはそれに対して何でも無い様に返した
「いえ、私はアルベルト様専属の従者ですから」
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アルベルトが退室した後、レイチェルを部屋に帰して残った妻に問い掛ける
「どう思う?」
「嘘は言ってないわね。まだまだ秘密はありそうだけど」
「でも家族の話は本当だと思うわ。あの寂しそうな眼は演技とは思えなかった」
「私もそう思うわ。転生者とかは関係ない。あの子は紛れもなく私達の息子なんだから私は力になってあげたいと思う」
妻二人の言葉に私は頷く。例えアルベルトがどんな秘密を抱えていようとも私達は彼の味方であろう。そう決心を新たにした。今後の苦労を想像も出来ずに
解説
爵位は男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵の五つに分かれている
辺境領地は半分身分が上がる
準と付くと半分身分が下がる




