■■■.作成されなかった故に存在しない報告書。或いはあり得た未来の記録
IF世界線の報告書です。【八尺】戦に敗北した未来です
―職員名と職員コードを入力してください。
―『■■■■』、『■■■■■■■■』
―パスワードを入力してください。
―『■■■■■■■■■■』
―登録資料目録を開示します。閲覧を希望する資料ファイルを選択してください。
―資料ファイル【【CSO-546-JP】の封印失敗による各報告書】にアクセスします。
―…
―……
―………
―以下の報告書を閲覧するには準二級職員権限が必要です。
―確認しました。報告書を開示します。
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『【CSO-45-JP禁足領域】への調査、及び可能性なら封印の修復完了まで【CSO−546−JP】の足止め任務の結果報告』
・結果:失敗
『【CSO−45−JP禁足領域】内の被害状況』
・発端として【CSO−45−JP禁足領域】の結界を構成する東の【道祖神】が破壊されていた事を巡回管理を担当する【■支部】の職員が発見した事から始まる。
・調査を目的として【CSO−45−JP禁足領域】内に自衛隊【怪異対策班】14名が侵入するも■■:■■分を最後に定時連絡が途絶える。隊長の■■氏と連絡を取ろうとするも反応無し。他、13名も同様に音信不通となる。
・連絡が途絶えた【怪異対策班】14名の捜索及び救助を行う為に、【酒呑童子】、【憑影】、【■■■■】、【■■の■■■】の4名が【CSO−45−JP禁足領域】に侵入。又、【迦具土神社】の確認及び鎮圧の為に特殊部隊【地鎮祭】も同行していた。
・侵入して■■分後に現在、行方不明となっている【怪異対策班】隊員•■■氏と死亡した他13名の隊員を民家の一つで発見。しかし、■■氏がいた二階の一室の室内に【CSO−546−JP】が出現し、交戦を開始。又、【地鎮祭】が【迦具土神社】が荒廃している事を確認する。
・結果:【CSO−546−JP】第一形態の魔術装甲を破壊した事により好戦状態に移行した事で、【■■■■】意識不明、【憑影】重傷、【■■の■■■】負傷により、戦闘継続が困難と【酒呑童子】が判断し撤退。
・其の後、調査に向かった職員が該当民家を捜索するも、死亡した13名の【怪異対策班】隊員の死体のみで■■氏は発見出来ず、【CSO-546-JP】の姿も確認出来なかった。
・【CSO−45−JP禁足領域】内の人的損失:自衛隊【怪異対策班】14名の内、【CSO−546−JP】によって13名死亡。1名が行方不明。
・追記:【CSO-45-JP禁足領域】に侵入した【怪異対策班】隊員14名ではなく、15名であったと言う報告が複数確認された。記録上に存在していない15人目についての調査を至急行う事を要請する。
・又、前提として【特一級怪異】が存在する領域を調査するには明らかに少ない小隊規模単体での調査派遣が承認された事に大きな違和感を感じざるを得ない。其の件に関しても関係者への聴き取り調査等の詳しい調査が必要になるだろう。
・【CSO−546−JP】を封印する為に必要な【迦具土神社】の復旧は現在、成功していない。
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―以下の報告書を閲覧するには【コード1】、【コード3】、【コード4】、【コード0】の所持と、準一級職員権限が必要です。
―【コード■:…………………■】
―確認しました。報告書を開示します。
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『【CSO-45-JP禁足領域】の周囲の空間への侵食による拡大現象と【CSO-546-JP】の活動範囲に関する報告』
・事案:第■次【CSO−45−JP禁足領域】調査で、侵入した【■■■■】の部隊が民家の一つで■■氏の遺体を発見。
・遺体には拘束による物と思われる手型の圧迫痕が発見されたが、直接的な死因との関係は薄いと判断された。其れ以外の目立った外傷は無く、死因は極度の飢餓による衰弱と推測される。
・民家から遺体を回収して【CSO−45−JP禁足領域】から一時離脱を行なおうとした所、室内に霧が発生。霧が人型を形作り【CSO−546−JP】へと変化した。【CSO−546−JP】は非常に好戦的であり、やむを得ず戦闘を開始する。
・結果:部隊全体が戦闘継続が困難な損害を受けたと【■■■■】が判断し、撤退。■■氏の遺体の回収も失敗する。
・入れ替わりに緊急事態に対処する為に待機していた【本部■班】、【■支部】、【■支部】、【■支部】合同部隊が突入。
・しかし突入時、【CSO−45−JP禁足領域】内から【CSO−546−JP】の姿が消失。捜索するも発見出来ず。
・事案1以降、【CSO−546−JP】の【CSO−45−JP禁足領域】外の周辺地域での目撃情報が発生。又、【CSO−45−JP禁足領域】の範囲が毎時■■㎥拡大している事を確認。
・追記:復元した道祖神では現在の【CSO−45−JP禁足領域】の拡大を遅延させる事は可能だが、完全な抑制は不可能であると言える。
・対策会議の結果、【CSO−546−JP】から取り戻した力を削ぎ落とさなくては【CSO−546−JP】の封印も【CSO−45−JP禁足領域】の拡大の停止も不可能と判断された。
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―以下の報告書を閲覧するには【コード1】、【コード2】、【コード3】、【コード4】、【コード0】の所持と、一級職員権限が必要です。
―【コード■:…………………■】
―確認しました。報告書を開示します。
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『【CSO−1093−JP】及び【CSO−1093−JP−α】の盗難と【CSO−546−JP】との関連性』
・【私立三門学園】地下に封印されていた呪物級魔導具【CSO−1093−JP】【仏僧兵】及び神器級魔導具【CSO−1093−JP−α】【仏神兵】が何者かに持ち去られる事案が発生。
・【CSO−1093−JP】及び【CSO−1093−JP−α】に関する詳細な情報は別途資料を参照する事。
・当時、校長を務めていた■■氏が出勤して校長室へと入った際、普段カーペットで隠されていた地下に続く扉が開いていた事が判明。
・連絡を受けた理事長兼管理者である■■■氏と調査を行なった結果、荒らされて【CSO−1093−JP】及び【CSO−1093−JP−α】が消失している事が判明。
・道中の術式は経年劣化と侵入者により無力化されており、現場には【CSO−1093−JP】を収めていたと思われる木箱と其の残骸らしき木片が散乱していた。
・記録を調査していた【本部一班】の職員から、『【CSO−1093−JP−α】は特一級呪具である【両面宿儺】であり、術式の核に【CSO−546−JP】の心臓が使用されている』と言う記述を発見したと言う報告を確認。更なる調査の結果、其の情報が事実である事が確認された。
・この事から、【CSO-45-JP禁足領域】の調査を行った【怪異対策班】にいたと思われる記録に存在しない15人目が今回の事案と関係があるとして調査と捜索を進める物とする。
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―新着の文書データを一件受信しました。
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此れは遺言だ。
俺達【第■■支部】の支部は拡大した【CSO-45-JP禁足領域】の範囲内に入り、瞬く間に同規模の領域内に散見する民家へと改変された。
支部から離脱した俺達は【CSO−1093−JP−α】が統率する【CSO−1093−JP】の大群と交戦し、更に撤退するはめになった。
此れだけの被害を撒き散らす奴等が、其の奥で糸を引く存在にとって駒の一つでしかないのは、其れが下らないジョークだった方が遥かにマシだった。
最早、進む事も戻る事も出来ない上に、ヘマしてかなり血を流れているジリ貧な状況で此れを書いている。此れを読む奴がいるかも俺には分からねぇ。
良いか?忘れるな。少なくとも此れを書いている俺達は奴等に負けちまった。だが、人類はまだ負けちゃいねぇ。
十中八九此れを見ているお前等も碌な状況じゃねぇだろうが手足が、頭が、心臓がまだ動くなら、諦めるにはちょっとばかし早いぜ。
精々、足掻いてみせようぜ。案外、あっさり喉笛を噛み千切れるかも知れないぜ?
最後に昔、何処かの報告書で見た今は居ない誰かの言葉を引用してこの言葉を贈ろう。
『Morituri te salutant』
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