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3.兄と姉

ブクマ登録が来て嬉しい限りです。頑張りますよ!

 ガリウスとの訓練での勝利で良い気分でいるとこちらに近付いて来る足音が聞こえてきた。ガリウスも気付いた様で足音の方を向き、一転、足音の主を叱咤する


 「遅いぞ!今まで何処をほっつき歩いていた!」

 「何処でもいいでしょう。それより何で【無能】がここにいるんですか?」


 叱咤された銀髪紅眼のやや太った少年―腹違いの兄であるジャクソン・レイガードはガリウスの言葉に不機嫌な声で面倒くさそうに返すと俺がいる理由を尋ねる


 因みに無能呼ばわりされている理由は転生した俺が目覚める前まで魔法も剣も碌に扱えず軟弱だったからだ。だがその分、本を読んでおり、知識は程々にある。取り敢えず目覚めるまで散々馬鹿にされた腹いせに挑発する事にした


 「何でもいいでしょう?それより軍だったら懲罰物ですよ?」

 「うるせぇなー。無能の癖に生意気だぞ!」

 「その無能すら分かる事が分からないとはジャクソンお兄様の頭はそのたるんだ腹みたいに贅肉が詰まっているんでしょうか?」

 「何だとてめぇっ!」


 俺の挑発に激昂したジャクソンが拳を振りかぶって俺を殴ろうと腹を揺らして駆けてくる。沸点低すぎだろ。煽り耐性付けないとこの先やってけないぞ?


 そんなどうでもいい事を考えながら棒立ちでいると目の前まで来たジャクソンは拳を顔面目掛けて振り下ろす。日本のチンピラよりちょっとマシな位のそれを半身で躱すと腕を掴んでそのまま背負い投げをする


 「あ、やべ」


 いつも使う時は殺害目的だったので、つい頭から叩き付けようとしたのを慌てて服を引いて背中から落ちる様にする。ジャクソンは強かに腰を打ったがまぁ許容範囲内と言えるだろう


 「グアッ!」

 「危ないですよ。怪我したらどうするんですか」

 「手前っ!っ!」


 俺の言葉にジャクソンは再び殴り掛かろうとするが腰を痛めたのか顔を歪ませ動きを止める。俺は落ち着いた口調でジャクソンに声を掛ける


 「腰を痛めたのでしょう。部屋でゆっくり休まれる事をお勧めしますよ」

 「馬鹿にしてんじゃねぇええええええええ!」


 ジャクソンが殴り掛かってきたので軽く躱すと鳩尾みぞおちを捻りを加えて抉る様にコンパクトに殴る。ジャクソンは腹からドゴッという音と「うっ」と声を出すとそのまま気絶した。俺は邪魔な生ゴミ(ジャクソン)を適当に手首を動かして雑に地面にほうるとガリウスの方を向く


 「お父様、すみません。如何やらジャクソンお兄様はお疲れの様でこのままここで寝るそうです」

 「いや、お前が気絶させたんだろ」

 「はて?僕はただ投げた後、殴り掛かってきたので躱して腹部に握った拳を当てただけですよ?」

 「だからそれは…。まぁ良い。どうせジャクソンが悪いんだからな。ただ次はもっと穏便に解決しなさい」

 「命があるだけましだと思いますけどね」

 「…なんかお前物騒になったな」

 「そうですか?」


 わざとらしく首を傾げるとガリウスとエイブラハムの二人に揃って溜息を吐かれた。解せぬ。取り敢えず戦闘時の体の動きはある程度把握したので屋敷に戻る。当然ジャクソンは放置した。俺からすれば赤の他人なのだから当然だろう。無能呼ばわりされた上に昔、俺は虐められていた様だし


 屋敷の中を適当に歩いていると背後からこちらに近付く走る様な足音が聞こえる。記憶にある一人の人物を思い浮かべながら振り返ると同時に抱き締められる。胸に埋まって息出来ねぇー!


 「アルく~ん!もう出歩いて大丈夫なの!?」

 「むぐっ」


 顔を動かして何とか豊満な胸から顔を出すと息を吸い込み答える


 「ぷはー。えぇ、大丈夫ですよ、レイチェルお姉様」

 「良かった~」

 「それより早く放してくれませんか?」

 「やだ。もうちょっとだけ~」

 「駄目です。離れて」

 「しょうがないな~」


 そう言って質の良い簡単な造りの動きやすそうな服を着た赤毛紅眼の少女―腹違いの姉であるレイチェル・レイガードが不満そうに口を尖らせて俺を腕の中から解放する。俺はそれを見て笑うと尋ねる


 「所で何故ここに?」

 「ん~?それはね、さっき訓練場を見てたから。アル君、良くジャクソンを投げられたね?」

 「あんなのは上手く相手の力を流して利用しただけですよ」

 「それって中々凄い事だよ?」

 「そうですかねぇ?」


 レイチェルの言葉に俺はそうかなぁとしか思わなかった。俺からすればこの手の体術は必須で、軍事学校時代にとことん文字通りこの身に叩き込まれて身に付いた技能だった。勿論簡単な訳は無く、攻撃が来るまでに相手の動きを読み、如何に相手の下に潜り込み、如何に相手の力を阻害せずに逆に利用するかが鍵になるからだ。しかし本人からすれば反射レベルで出来る事なのでとても大した事には思えなかった


 「まぁ、いいです。所でお姉様はこれからどうする予定で?」

 「ん?えっとね。これから魔法学の授業かな?」

 「僕も参加していいですか?」

 「えっ?良いけどアル君には難しいと思うよ?」

 「大丈夫ですよ。黙って聞いていますからご迷惑はおかけしませんよ」

 「う~ん。いいよ。ついて来て!」

 「分かりました」

人物紹介

ガリウス・レイガード

銀髪碧眼。レイガード辺境伯爵家当主

長身で引き締まった体とインテリっぽい顔は中々カッコいい


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