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25.真夜中の再会

新キャラですよ?

 俺は王城から出た後、ギルドに行き、幾つかの依頼を処理して家に帰った


 家族と夕食で当り障りない会話を終えて、俺はそのまま寝る為に自室のベットに横になるが、セレスティアとの茶会で過去を思い出したからかどうにも寝付けずに暫く寝返りを繰り返していた


 やがて寝るのを諦めてベットから起き上がると、外を眺める為に窓側に移動した


 雲一つない夜空にはかつての世界では文明の進歩による人工の光で失われた大小や明るさが様々な星や細長い三日月が輝いている。暫くボーっと眺めていたが、突如背後に現れた気配に屈みながら振り返った


 気配の主は身長180cm位で黒いローブを着てフードを目深に被り、右手に持つ片刃の剣がアルベルトの心臓があった場所に伸びている。ローブの人物は指と手首の動きで順手に持っていた剣を逆手に持ち直すとアルベルトに向かって切っ先を振り下ろす


 俺は腰からナイフを抜くと右手のナイフで横薙ぎに剣を弾き、左手のナイフでフードの人物を刺そうとした


 しかし、フードの人物が素早く左足で左手の甲を的確に蹴った事でナイフを取り落とし、床に転がる


 「ぐっ…!」

 「……」


 フードの人物は更に間髪入れずに左足が地面に着く前に、アルベルトの頭目掛けて右足で蹴りを放つ。俺は後ろに倒れて紙一重で回避するとそのまま立ち上がり、揶揄う様な笑みを浮かべてフードの人物に声を掛けた


 「久し振りだな(・・・・・・)?だが、この挨拶はあんまりじゃないか?シュレディンガー」

 「仕事終わりに体だけ残して(・・・・・・)どっかに消える馬鹿には丁度良いだろ?」

 「済まんが生憎と短期の記憶喪失を起こしていてな。そこら辺は覚えてない」

 「知らんな。取り敢えず一回死ね」

 「断る。場所を変えるぞ」


 そう言うと俺は自分とシュレディンガーの足元に《ゲート》を開いて落下する。直ぐに黄昏時の薄暗い周囲が木々で生い茂った整備されていないアスファルトの地面に着地すると正面を向いた。正面に立つシュレディンガーは徐にフードを脱ぐとそこには予想通り俺が転生する前の肉体(・・・・・・・・・・)だった


 「やっぱり俺の肉体だったか」

 「あぁ、医療班のマッドに解剖されるよりマシだろ?」

 「違いない。所であの契約(・・・・)はどうなって、彼奴等(・・・)はどうしている?」

 「契約は【魂狩り(ソウルテイカー)】のお陰で履行されたままだ。彼奴等(・・・)は…ある程度の想像はつくだろう?」


 先程までの親し気な口調が一転して真剣な声の俺の問いに、シュレディンガーは相変わらず平坦なかつての声で返す。俺はまだ契約が生きている事に対する安堵と向こうに残した彼等の事を思い浮かべてどうしようかと云う悩みの混じった溜息を吐いた


 「そうか。それで何の用だ?まさか本気でり合いに来た訳じゃないだろ?」

 「9割9分9厘本気だが?お前の仕事と彼奴等の面倒を誰が片付けてやったと思っている。特に彼奴と二人であの狂人共を抑え込むのにどれ程苦労した事か」

 「あ、うん。それはゴメン。マジで。ちゃんと向こうの活動報告書出すから勘弁してくれ。それで残り1厘は?」


 俺の問いにシュレディンガーは黙って右手に持つ片刃の剣を地面に突き立てるとローブの中に手を入れる。俺が疑問に思うと顔にでも出ていたのかシュレディンガーが口を開いた


 「先ず、忘れ物(・・・)だ」


 シュレディンガーはそう言うと赤黒い汚れが付いた鈍い金色の物を投げてきた。受け取るとそれは半分程血の付いた心臓を模った装飾のネックレスだった


 それはかつての俺の形ある罪の一つであり、大切なそれを俺は暫くの間眺める。そしてそれをポケットに仕舞った所でシュレディンガーは剣を抜いて掲げると口を開いた


 「それとダインスレイフが拗ね出した。正直面倒だ。まぁ、連れてこれなかった奴等と比べれば比較的マシだがな」

 「えっ?マジで?」


 そう言って俺はシュレディンガーが掲げる片刃の剣―ダインスレイフ=グリムを見る


 ダインスレイフ=グリムは北欧の伝承に登場する魔剣の一振りであり、一度鞘から抜けば生き血を浴びて完全に吸うまで鞘に収まらないと語られる魔剣であるダインスレイフを打ち直した事で生まれた片刃の剣である。分類は大刀だが、素材からこの名が付けられた


 使用者を操り、鮮血を吸おうとする性質は受け継がれており、癖の強い妖刀として扱われていたこの剣をアルベルトになる前―樋口圭吾と呼ばれていた頃に精神支配を容易く捻じ伏せ、完全に自分の意思で扱った


 ダインスレイフ=グリムは文字通り生きた刀剣(・・・・・)であり、グリム自身に認められた事から所有者になったという経緯を持つ


 シュレディンガーがダインスレイフ=グリムを地面に突き立てて数歩下がると、その隣に光が集まり、やがて人の形に変化すると光が弱まり、そこには身長160cm程の、装飾の少ない動き易さを重視したメイド服を来た、白金色の肩より少し長い髪とアメジストの様な紫色の瞳を持つ色白の女性が立っていた


 「旦那様、お久し振りですね」

 「あぁ、そうだな」

 「何故、今まで居場所をお伝えにならなかったのですか?」

 「この体になって何かと忙しくてな。申し訳なかった」

 「…そうですか。それにしてはルシファーをお呼びになられたのですね?」

 「あの時はあいつが適任だったんだ」

 「本当に寂しかったんですよ?」

 「本当に済まなかったよ。許してくれないか?」

 「では、私もこれからご一緒しても宜しいですか?」

 「構わないよ」


 俺の言葉にダインスレイフはニコリと笑うと光の粒子になって消える。シュレディンガーは剣を引き抜くと黒い漆塗りの鞘に納めて俺に放り投げた


 「おっと、もう少し丁寧に扱ったら如何だい?」

 「喧しい。さっさと再開するぞ」


 シュレディンガーはそう言うと同時に地面を蹴って、何時の間にか手に持っていた漆黒の大刀で斬りかかる


 俺はすぐさまダインスレイフを居合の要領で鞘から抜くと振り下ろされる刃を迎え撃った。左に一歩ずれて弾くと、ダインスレイフを引いて、距離を詰めると横薙ぎに斬りかかる


 シュレディンガーはそれを斬り上げると返す刀で振り下ろす。俺は後ろに跳ぶと同時に鞘による刺突を放つが、シュレディンガーは大刀の動きを阻害しない見事な半身による回避により互いの攻撃は空を切った


 直ぐに互いに接近すると得物による斬撃、打撃、蹴りや拳をぶつけ合う。時に迎え撃ち、除け、受け流して数十分経った頃、俺は後ろに大きく下がると気になった事を聞く


 「おい、義手どうした?」

 「整備中だ。そうでもなければ使っているわ」

 「あ、そう。それで何時までやる気だ?お前も分かっている通りこのままだと永遠に決着が付かないんだが」

 「そうだな。捜索が終わって憂さ晴らしも出来たしここまでとしよう。それと俺とお前の優秀な忠臣の働きもあって仕事が片付いて、引き続きお前の監視をする事になった。とは云え、一度あの狂人連中に生存報告に戻るがな」

 「そうかよ。これから宜しく頼むぜ?相棒」


 そう言ってシュレディンガーは大刀を黒靄に変えて消し、俺はダインスレイフを鞘に納めると互いに近づいて握手を交わす。序に《ゲート》を足元に開いて寝室へと戻った。俺はシュレディンガーに空いている部屋に案内した後、ベットに戻り眠りについた

 解説

 【シュレディンガー】

 ・かつての世界のアルベルトの相棒

…解説になってないな


 因みに【ダインスレイフ=グリム】の精神は西洋剣の【ダインスレイフ】頃からあったが、メイド姿の【擬人体】は打ち直し後にとある事件で生まれた

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