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18.冒険者ギルドと新人狩り

アルベルトの能力が少し出ますよ

多分、察しの良い人は既に契約した神格の正体がわかっているかも知れませんが予想してみてくださいね?

 正直謁見の翌日、暇だったので10歳になった事だし冒険者になる事にした。俺は別宅の屋敷から出て屋台で串焼き等を買って食べながら歩いていると、関所近くにある剣と獣の頭部が描かれた看板がぶら下がる石造りの三階建ての建物を見つけたのでその建物の木製の扉を押し開けた


 中に入った瞬間、一斉に俺に視線が集まるのを感じる。その視線は興味や値踏みする様な物がほとんどだったが、僅かに獲物を狙う様な物も混ざっていた。今の俺は革鎧にローブを着てベルトにナイフを下げている為、依頼者には見えないだろう


 俺は横並びのカウンターの内、真っ直ぐ空いているカウンターに向かうと立っている30代位に見えるおばちゃんに声を掛けた


 「すみません。冒険者に登録したいんですけど」

 「あいよ。じゃあ、この用紙に記入して頂戴。書きたくなければ名前以外書かなくて良いからね」


 俺は渡された羊皮紙には名前、年齢、種族、出身、得意な武器、魔法を書く欄があった。取り敢えず名前にアルバトと書き、武器はナイフと書いて差し出す


 「それじゃあ、このプレートに血を一滴垂らして頂戴」


 そう言ってドッグタグの様な鉄のプレートとナイフが差し出されたので、人差し指を浅く突き刺して血を垂らす。するとプレートの上に青白い魔法陣が浮かび上がり、直ぐに吸い込まれる様に消えた


 「登録完了、これで終わりだよ。これがFランクの証だから失くさない様にね。再発行する場合は銀貨2枚だよ。依頼は自分のランクの一つ上まで受けられるから受ける場合はそこのクエストボードから剥がして来な。但し、Fランクの依頼は常時依頼だから事後報告でいいよ」

 「分かりました」


 俺はそう言って頭を下げるとカウンター横の壁にあるクエストボードに向かった。ランクはF、E、D、C、B、A、G、Sの8段階に分かれ、Fランクの依頼は薬草採取や清掃活動等で、ゴブリン5匹しか討伐依頼が無い


 よく雑魚に使われるスライムはDランクと割と強い魔物らしい


 「ゴブリンにするか」


 依頼の場所が【エルン・メルスの森】である事を確認するとギルドを出て関所に向かった


 王都は貿易が盛んな為、商人や冒険者の出入りが激しい。なので列が出来た関所の衛兵は今も忙しそうにしていた。列に並んで暫くすると俺の番になる


 「次の者、前に!身分を証明出来る物はあるか?」

 「これを」

 「Fランクか。通って良し」


 あっさりと関所を抜けると俺は【エルン・メルスの森】に駆け出す。20分程で着いたそこは木漏れ日が差し込む様な明るい森だった。ピクニックか何かをするには丁度いいかもしれない


 俺は一瞬、横目で後ろを確認すると手近な木の上に跳躍して飛び乗って身を潜める。それから少しした頃に三人の男達がやってきた。使い込んだ様子の革鎧を着た2、30代位の三人の男達は森を見回すと話し出す


 「あのガキ何処行きやがった?」

 「まぁ、直ぐに見つかるだろ」

 「見てくれは悪く無かったし闇で奴隷として売ればいい金になるだろ」

 「さっさと見つけて酒を飲むぞ」


 ギルドから出た後もつけてくる気配があったので、敢えて気付かない振りをしていた。今の会話を聞く限り矢張り新人狩りか何かだったのだろう


 今後付き纏われても面倒だし始末するか


 男達が森の奥に進むのを見送った後、俺は地面に降りると【気薄影身】を発動して後を追う。ある程度、森の奥に入り、周りに見られて問題がある(・・・・・・・・・)人間がいない事を確認すると俺は男達の足の腱を切り裂いた


 「ギャア!」

 「グア!」

 「痛ー!」

 「やぁやぁ、ご機嫌如何かな?」


 腱を切り裂かれて倒れた男達に俺は【気薄影身】を解除すると笑顔で尋ねる。男達は俺が現れた事に驚いた表情を浮かべると怒りに顔を歪ませて吠える


 「テメェ、何しやがる!」

 「いや、俺を狙っておいてその台詞はおかしいんじゃないか?」


 俺の言葉に男達は自分達の狙いが獲物にばれていた事に悔し気に顔を歪ませる


 「クソ!聞かれていたのか。それで俺達をどうする気だ?」

 「アハハ、決まっているだろ?殺すよ」


 男達は凍り付いた。10歳の子供が平然と殺すと言った事もそうだが、こちらを酷薄な笑みを浮かべて見下ろす一切の感情が感じられない冷たい眼差しと、最後の「殺す」と言う抑揚の無い急激に熱を失った短い言葉が本気で自分達を殺す気だと告げていたからだ


 「ま、待て!冗談―」

 「先ずは一人」


 恐怖が浮かぶ血の気が引いた青い顔で、足が使えないので腕の力だけで後退る男達に俺は静かに近付くと右手を前に出して右側の男の顔を掴む


 「【我は今、副王の贄を捧ぐ】」


 俺がそう呟くと右手から淡い虹色に輝く魔力が流れ出し男の体を薄く覆う。そして次の瞬間、急激に老化が始まると直ぐに身に着けている物も含めて全て塵となって崩れ落ちた


 「なっ!?」

 「ひっ!?」


 塵となった仲間を見て男達は固まる


 その隙に更に一人、獲物に襲い掛かる蛇の様に素早く顔を掴むと先程と同じ様に塵に変えた


 「なっ!?や、止めろ!止めてくれ!」

 「だが、断る」


 喚く最後の男を塵に変えると一陣の風が吹き、三つの塵の山を吹き飛ばす。俺は舞い上がる塵を煩わしく思い、顔を顰めて森の奥に歩を進めた

解説

冒険者ギルド

国に縛られない独立した組織。国は補助金を支給し、ギルドは魔物の脅威からの防衛という互助関係を結んでいる

王都や帝都の様な首都や【ギルム・ヘルムの大森林】の様な危険地帯と隣接するギルドを除き、基本的にSやGはおろかAランクの冒険者すら数人しか在籍せず、高ランクの冒険者はかなり希少な存在であり、一部の国では貴族として扱われる事もある

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