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紅雪姫  作者: ぴこ
覚醒した力とその対価
16/20

悩みの解決法

更新かなり遅れてしまって申し訳ないです!

-憎しみは災いを呼ぶ。それだけは忘れるな-


「憎しみは災いを呼ぶ、かぁ…」


マーガレットさんが向こうから「飯じゃぞー」と呼ぶ声が聞こえている中で、あたしは一人、中庭にいた。


憎しみって、コントロール出来るのかな。


あたし自身、気持ちにとても敏感なだけなのかもしれないけれど、憎しみというものを制御する方法がわからなかった。

まず、王国は憎い。


目の色が違うからという理由だけで子どもを殺そうとする、酷く、悲しい国なんだと思う。


アザレアもも殺されかけた。

彼はあたしが自分のせいで殺されたと思い、王国も、自分も憎んでいるとはいったが、よくよく考えてみると不思議なのだ。


だって、現に『あたし達は』生きている。

そしておっさんやエルバは、死にかけたあたしを見つけたと言っていた。


じゃあ、なぜ生かしたの?

あの二人ほど力のある人間なら、あたしのこともすぐに殺せただろう。

スパイならなおさら、妹のほうが生きていたので殺しましたとでも報告したら、それはそれは喜ばれるに違いない。

それに、あたしの武器にGPSが付いていたのなら、なぜ真っ先に殺しに来ない?


ずっと引っかかっていた何かが繋がろうとした時、トンと肩に手が置かれた。


「どうした?飯、行かねえのか?」


稽古終わりなのか、汗をかいて服をパタパタさせながらアザレアが顔をのぞかせた。

あ、そうか。ご飯呼ばれていたこと忘れてた…。


「呼ばれていたの忘れてたよ。今行くね」


あははーと笑いながら立ち上がると、アザレアは怪訝そうに眉を寄せた。

すると、腕を掴んで自分の方に向かせて、思い切り頬を引っ張ってきた。


「いだだだだだだだい!!!」


思いのほか伸びるな、こいつ。とぼそっと聞こえたのは、聞こえなかったことにしよう。

ていうか、長いって!いい加減離せ!!


やっと離してもらい、不貞腐れたように横を向くと、アザレアはケラケラと笑い出した。

ムッとして顔を上げると、隙だらけのアザレアの耳があったので、思わずにやけてしまう。

茶の間に向かおうとしつつ、耳に息を吹きかけてやると、「ふぇ!?」と思い切り変な声を出し、耳を押さえて顔を真っ赤にするたアザレアに爆笑してしまった。

……かわいい。


「お、お前なぁ!!」


シャー!!と怒った猫みたいに威嚇し、顔を赤くして追いかけてくるアザレアを見てまた笑って、気づく。


…あれ。なんかどうでも良くなってる。

なんで?なんて思っているうちに、アザレアに捕まった。


「さーて、どうしようかねえ」


ニタァ…と笑うアザレアの後ろから手が伸びた。


「飯、捨てちまっていいのかい…?」


ふふふふふ…と笑うマーガレットさんが怖いのなんの。

ぎゃー!と真っ先に食卓へ向かうあたしを見て、アザレアとマーガレットさんが微笑み合っていたらしい。













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