悩みの解決法
更新かなり遅れてしまって申し訳ないです!
-憎しみは災いを呼ぶ。それだけは忘れるな-
「憎しみは災いを呼ぶ、かぁ…」
マーガレットさんが向こうから「飯じゃぞー」と呼ぶ声が聞こえている中で、あたしは一人、中庭にいた。
憎しみって、コントロール出来るのかな。
あたし自身、気持ちにとても敏感なだけなのかもしれないけれど、憎しみというものを制御する方法がわからなかった。
まず、王国は憎い。
目の色が違うからという理由だけで子どもを殺そうとする、酷く、悲しい国なんだと思う。
アザレアもも殺されかけた。
彼はあたしが自分のせいで殺されたと思い、王国も、自分も憎んでいるとはいったが、よくよく考えてみると不思議なのだ。
だって、現に『あたし達は』生きている。
そしておっさんやエルバは、死にかけたあたしを見つけたと言っていた。
じゃあ、なぜ生かしたの?
あの二人ほど力のある人間なら、あたしのこともすぐに殺せただろう。
スパイならなおさら、妹のほうが生きていたので殺しましたとでも報告したら、それはそれは喜ばれるに違いない。
それに、あたしの武器にGPSが付いていたのなら、なぜ真っ先に殺しに来ない?
ずっと引っかかっていた何かが繋がろうとした時、トンと肩に手が置かれた。
「どうした?飯、行かねえのか?」
稽古終わりなのか、汗をかいて服をパタパタさせながらアザレアが顔をのぞかせた。
あ、そうか。ご飯呼ばれていたこと忘れてた…。
「呼ばれていたの忘れてたよ。今行くね」
あははーと笑いながら立ち上がると、アザレアは怪訝そうに眉を寄せた。
すると、腕を掴んで自分の方に向かせて、思い切り頬を引っ張ってきた。
「いだだだだだだだい!!!」
思いのほか伸びるな、こいつ。とぼそっと聞こえたのは、聞こえなかったことにしよう。
ていうか、長いって!いい加減離せ!!
やっと離してもらい、不貞腐れたように横を向くと、アザレアはケラケラと笑い出した。
ムッとして顔を上げると、隙だらけのアザレアの耳があったので、思わずにやけてしまう。
茶の間に向かおうとしつつ、耳に息を吹きかけてやると、「ふぇ!?」と思い切り変な声を出し、耳を押さえて顔を真っ赤にするたアザレアに爆笑してしまった。
……かわいい。
「お、お前なぁ!!」
シャー!!と怒った猫みたいに威嚇し、顔を赤くして追いかけてくるアザレアを見てまた笑って、気づく。
…あれ。なんかどうでも良くなってる。
なんで?なんて思っているうちに、アザレアに捕まった。
「さーて、どうしようかねえ」
ニタァ…と笑うアザレアの後ろから手が伸びた。
「飯、捨てちまっていいのかい…?」
ふふふふふ…と笑うマーガレットさんが怖いのなんの。
ぎゃー!と真っ先に食卓へ向かうあたしを見て、アザレアとマーガレットさんが微笑み合っていたらしい。