学生守護戦士は人拐いに巻き込まれる2
頭が重い気持ち悪い。
動けないよ~。
「ふーん、確かに可愛いね。」
誰かが言った。
やっと目を開けるとそこには
仮面を被った男性が護衛らしい女性と立っていた。
ベッドに寝かされてるらしい。
まわりは強化ガラスみたいな、透明の物体でおおわれてる。
拘束はないけど、動けません。
なんか薬を盛られたかな?
「…良いよ、守護戦士とやらを飼ってみたかったから。」
男がニヤニヤした。
「オークションにかけますので。」
男の後ろから誰か来た。
そう言えば、ユカリちゃんどうなったんだろう?
それに、状況の把握を…。
わからない…やっぱり、気持ち悪い。
「そう?まあ、僕に勝てると思えないけど。」
男が笑った。
「さようでございますか?」
あとからきた多分知的な方の手下が言った。
「疑ってるの?」
男が言った。
「眠っているところを見た方たちがそのようにおっしゃってましたので。」
知的手下が言った。
オークションって私、売られるの?
「そう?でも起きたところを見たのは僕だけだよね、負けないよ。」
男が言った。
「では、オークションでは楽しみにしております。」
知的手下が言った。
あ、煽ってる。
なんか、嫌だな…。
「身体がなおるまで出す予定はありませんが…。」
知的手下が言った。
「弱ってるところがいいのに、行くよ。」
男性はそういって護衛を連れて去った。
「ゲスが…まあ、僕も最低な男ですけどね。」
知的手下が呟いた。
そして、透明なガラス?
をかきわけて入ってきた。
柔らかい物質らしい。
多分、抜けられないようになってるんだろうな。
「やっと、目覚めましたね。」
知的手下はそういって私の手首を指でつかんだ。
脈を見てるらしい。
くやしいけど、身体が動かない。
「特に異常は無いようです、弱ってる以外は、うらみつらみもあるでしょうが。」
知的手下が笑った。
「あるよ、もちろん。」
声がかすれた。
何時間?何日間?寝てたんだろう?
「水分ですね。」
知的手下が私の寝ているベッドをついてるリモコンで起こした。
病院のベッドみたいに角度調整可らしい。
知的手下が時空保存ボトルを開けた。
なんか、スポーツ飲料系の匂いがする。
「飲みなさい、これには何も入ってません。」
知的手下がいった。
まあ、やる気なら、点滴符でも魔法でもいいわけだ、守護戦士の作務衣なら少しは防御できるけど…。
いまはユカタみたいな病衣だ。
うす甘い飲み物がのどを滑り落ちる。
ああ、まさに甘露だよ。
「さて、あなたは、どうしますか?主人の嫁取りに巻き込まれたのだから、売られる先は考慮しますよ、さっきの男性はお奨めしません、買った戦士を戦わせるのが趣味の戦闘マニアです、私としてはあなたが寝てる間に来た女性をお奨めします。」
知的手下が言った。
どっちにしてもうられるんじゃん。
「その女性は家を次ぐ跡取りを見つけに来たのですが、あなたが良いそうです、男性の予定だったのですが、運命の出逢いといっていました。」
知的手下が言った。
「ユカリちゃんはどうなったの?」
守護戦士として失格でも聞いておかないと。
チャンスがあったら連れて逃げるんだもん。
「主人が今囲ってますから。」
知的手下が言った。
ユカリちゃん、囲われてるんだ。
大丈夫かな?
なんか恥ずかしいことされてるんじゃ…。
「落ちるのも時間の問題かと思います。」
知的手下が言った。
落ちるのも時間の問題ってなにさ?
やっぱり、妖しいことされてるんだ。
わー、助け出せなかったら。
ユカリちゃん、人身売買業者の女装な親玉の嫁?
何とかしないと!
私もどっか売られちゃうよー。
「ユカリちゃんには好きな人がいるのに!」
ビーヌさんとすごく、仲良くて当てられたよ。
うらやましくて!
ヒフィゼギルド管理官長に会いたいな…。
「主人はかつて、紫の美少女に恋しました、もう、立ち直れないくらいの失恋とともに。」
知的手下が言った。
紫の美少女?ユカリちゃんと違う人?
「失恋したからってユカリちゃんをさらうなん…」
いいかけてむせこんだ。
知的手下が背中を撫でる。
「もう少し飲んだら、休みなさい。」
そういって、時空保存ボトルを私の唇に当てた。
取り合えず飲もう。
「ユカリちゃんに何かしたら許さない!」
私は知的手下を睨み付けた。
「それより、あなたが何かされる方が先かもしれませんよ、場合によっては私が引き取ってもいいです、主人にとってはいわばおまけですからね。」
知的手下が言った。
「引き取る?」
人をワンコみたいに失礼な。
「ええ、私もそろそろ。」
知的手下が私の手を撫でた。
ま、まさかそう言う関係は
お、お断りだよ。
「助手が欲しかったんですよ、まあ、あんまり、手がかからなければですが。」
知的手下が言った。
やっぱり、ワンコ扱い?
「まあ、あんまり、さわぐと、ひどい主人におろしますよ。」
知的手下が静かに脅した。
どうしよう?騒がないで様子見たほうがいいかな?
「まあ、あなたは騒がない方です、騒ぎすぎて商品にならず、処分したことも…。」
知的手下が恐ろしい事を言った。
生命の危険を感じる。
ユカリちゃん、本当にごめん。
私、今は静かにしてる。
「黙りましたね、良いことです…私はオーキアスです、風見真姫奈、元守護戦士。」
オーキアスが微笑んだ。
もと…元じゃないもん。
やっぱり、諦めちゃダメだ。
守護対象者は護らないと。
でも、今は動けない。
油断させるしかない。
「疲れたので休む。」
私は目を閉じた。
目からの情報消え失せ、
他の感覚を感じる。
この男は…薬草の匂いがする。
医者か薬剤師かわからないけど。
副業は医療系なのだろう。
本業は多分人身売買の商人の手下。
「まあ、休みなさい、この件は主人が落ち着いたら話します。」
ベッドをもとのフラットに戻して
オーキアスは出ていった気配がした。
そこで、もう一度目を開けて
なんとか起き上がる。
ベッドから降りようとして転がり落ちた。
だめだ、足に力が入らない。
「…まったく、いってるそばから。」
いつのまにかまた、オーキアスがいた。
「トイレにいこうと思って。」
本当は水分不足なのか全然行きたくない。
「そうですか、そこにありますが…抱えていきましょう。」
オーキアスにかかえられた。
ああ、憧れのお姫様抱っこなのに
ちっともドキドキしない。
ヒフィゼギルド管理官長に
抱き抱えられる妄想したときの方がよっぽど
ドキドキしたよ。
絶対にユカリちゃんを助け出して
私も無事に逃げるんだ。
これは決定事項だから!
そう思ってないと足元が崩れそうで
怖いよ…。
負けないけどね…。




