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死者たちとの混浴
私には一つ特殊能力がある
これから亡くなる人間が見えるのだ
還暦を過ぎて独り暮らしが長かった私は
僅かな年金をあてに、
日々お迎えを待つ味気無い日々を送っていた
何気なくテレビを見ていると
山岳旅行やハイキング紹介
の番組をやっていた
学生時代、山歩き、みたいな事を
いくつかやったのを思い出し、
ネットで軽めのツアーを申込みをして
何度か参加した
平地での人間関係の煩わしさを嫌ってたが、山には山の煩わしさがあるとの
発見もあると知った
いつしか、ツアーから離れて
単独行動を取るようになって行った
山には俺と同じように、
世間の生活に馴染め無い人間も
少なく無いを知った
今、難易度がそれほど過ぎ無い山行の基点で有名な山小屋の、
混浴露天風呂に浸かっている
明日は、難関な、剣が峰へのアタック
を楽しみにしてる三人組グループ
と話を交わした
だが、顔色が明らかに『死に顔』だった
((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
もっとも、私しか分からないらしい
ふと洗い場の鏡を見ると
私自身明らかに『死に顔』だった
果たして私は本当に生きているのか?
既に突然の滑落事故か何かで、気がつかない内に死んでいるのでは無いのか?
私の顔が『死に顔』に見えるのは、
既にあの世の住人なのでは無いのか?




