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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【ギリシャ物語】アレスの災難。

作者: 銀糸雀

注:多少下ネタや下品なネタを含みますので、御了承下さい。



●最悪と悪友の間

アレス「てめー!やりやがったな!!」

ヘルメス「え?何を?」

アレス「何をじゃねーだろ。アフロディーテ寝取りやがって」

ヘルメス「そもそも貴方、『まだ』夫じゃないじゃん」

アレス「大体年下なのにタメ口か?!」

ヘルメス「はいはい。アレス様はアフロディーテ様の御主人ではあらせられませんよね。へーパイストス様に吊るされるならともかく、貴方に怒鳴られるのはねぇ…」

アレス「…くそっ、こんどやったらただじゃおかねぇぞ!」

ヘルメス「くすっ(可愛いなぁ…)」


ヘルメス「あ、アレス様、御機嫌よう」

アレス「なんだよ?!気持ち悪いぜ、その敬語!」

ヘルメス「我侭だなぁ…。この間の夜は、とても素敵だったのに」

アレス「はぁっ?!」

ヘルメス「あれ、覚えてないの?酔った勢いで僕を押し倒して…」

アレス「そ、そんな、いや、まさか…」

ヘルメス「アレスって左脚の付け根に黒子があるんだね」

アレス「?!」

ヘルメス「(面白い…)」









●大食い競争

ヘルメス「…ごちそうさまでした(ぺロリ)」

アレス「ま、負けた…」

ディオニュソス「は~い、アレス十連敗!」

アレス「畜生!そのひょろひょろした体のどこに入るんだよ!!」

アポロン「生まれてすぐ、他人(ひと)の牛を二頭食って、亀まで平らげたんだぞ?こいつは」

ヘルメス「はっはっはっ、だから悪かったってば」

アレス「…ぜってー勝てねぇじゃん。俺」










●キス

アレス「バカ、そりゃおめーの見間違いだ!」

ディオニュソス「え~、本当だってば!絶対!!」

ヘルメス「何、二人ともどうしたの?」

アレス「いや、こいつが…お前とアポロンがキスしてるところを見たって」

ヘルメス「……やだなぁ、ディオニュソス」

アレス「ほれ、見ろ」

ヘルメス「アポロンとは友人なんだから、キスぐらいするよ」

アレス「ぶっ!!」

ディオニュソス「え~、でも俺、して貰ったことないよ?」

ヘルメス「そう?じゃあ、チュー」

ディオニュソス「チュー」

アレス「…お、俺はいいからな!」


ディオニュソス「ねぇねぇ、アレス。さっきヘルメスとアポロンが抱き合っているのを見たよ」

アレス「え?…ま、まさか」

ヘルメス「やだなぁ、ディオニュソス。アポロンとは友人なんだから、抱き合うぐらいするさ」

ディオニュソス「え~、でも僕、したことない~」

ヘルメス「そう?じゃあ、ハグー」

ディオニュソス「わ~い、ハグー」

アレス「…俺のことはほっといてくれ!」


ディオニュソス「ねぇねぇ、アレス…」

アレス「お前はもう何も見てくんな!!」

ディオニュソス「え~、アレス横暴!」










●ある朝

アレス「おう!アポロン、邪魔するぞ!」

アポロン「あ、ああ。アレスか。どうしたんだ、こんな朝早く…」

アレス「ん?ちょっと近くを…って、何を気にしているんだ?」

ヘルメス「あ、アポロン、お風呂上がったよ…って、アレス」

アレス「お、おまっ!そんな格好で…!お前ら何してるんだよ!!」

ヘルメス「あ~…寝ゲロ」

アレス・アポロン「「はっ?!」」

ヘルメス「昨夜呑みすぎちゃってさ~、もう頭は痛いわ、気持ち悪いわで最悪。すっかり治ったけどね~。いやあ、持つべきものは医者の友人だね!」

アレス「そ、そうか…お大事に」


アポロン「…他に誤魔化しようが無かったのか?」

ヘルメス「インパクトないと信じないでしょ」










●マイノリティ

アポロン「抱くなら男でも女でも問題ない。まぁ、美女や美少年が好みだな。抱かれるのは…まぁ、暫く経験が無かったが、どうしてもと言うならなんとかなるだろう」


ヘルメス「僕は抱くのだったらどっちでも平気。勿論、女性の方が好みだけどね。抱かれるのは好きじゃないけど…人によるかな?(ちらりとアポロンを見る)」


ディオニュソス「俺は男性なら抱かれるの好きー!抱くのもOK!でも、女性はね~、アリアドネ、お前だけだよ!!」


アレス「…お、俺は女しか抱きたくない…。抱かれるの論外!(アフロディーテ助けて…)」


こんな彼は、多分ギリシャ神話では少数派(マイノリティ)。強く生きろ!

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