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そして王子の誕生
「頭が見えてます。」
シーツの中からくぐもった女の声が聞こえた。横たわった女性はなお一層息んで見せた。
「出てきています。もう少し!」
横たわった女性の目からは涙が流れていた。その目は天井を見つめたままでいた。横の女性はただ彼女の手をやさしく握りしめていた。
盲の老婆は産婆の近くへとおぼつかない様子でうろうろと立っていた。
産婆は勢いよくシーツを右手で捲くりあげ、その身を起こした。左腕には赤子を掲げていた。
「王子様のご誕生です!」
「頭が見えてます。」
シーツの中からくぐもった女の声が聞こえた。横たわった女性はなお一層息んで見せた。
「出てきています。もう少し!」
横たわった女性の目からは涙が流れていた。その目は天井を見つめたままでいた。横の女性はただ彼女の手をやさしく握りしめていた。
盲の老婆は産婆の近くへとおぼつかない様子でうろうろと立っていた。
産婆は勢いよくシーツを右手で捲くりあげ、その身を起こした。左腕には赤子を掲げていた。
「王子様のご誕生です!」
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