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そしてお産の最中だった

老婆は目が見えていないようで、両手を肩のあたりに掲げるようにして背中を押されるままに前へと進んだ。あきらめがついたのか、物言わぬ決心をしたのか、口はきつくへの字につぐまれていた。

屋根裏部屋のようなその部屋には、三、四人の女性がいるらしかった。大きなたらいにはお湯が注がれており、いくつものシーツやタオルが準備されていた。それぞれが慌ただしくベッドの方に視線を向けたまま、それでもなにも成すすべがが無いようにシーツやタオルを開いては畳み、開いてはたたみしていた。

ベッドに横たわっている女性はいかにも具合の悪そうな顔つきでありながらも頬を紅潮させ、繰り返していきんでいた。苦しそうにあえぐ声が繰り返されていた。

一人の女性は彼女の枕元で膝をつき、手を握ったまま涙を流していた。

それから年老いた女性が一人、彼女の足元のシーツにくるまるように半身を乗り出していた。

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