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始まりの夜

嵐の夜に物語は始まる。

横殴りの激しい雨が降る。木々の枝を激しく打ち付ける。月は垣間見える様子もなく、強い風が吹きすさぶ。暗い雲が夜空を覆い、蠢いている。

暗い森の中、何者かが一直線に突き進むその先に見えるのは見紛うはずもない城である。森の先の、木々のトンネルを抜けたまだ先、断崖絶壁にそびえ立つその城は、古さを感じさせるもののその荘厳さを誇示していた。

城を目指して突き進むその男は馬の上で手綱の間に老婆を抱えていた。老婆はその小さな身をかがめて小刻みに震え、なにかを呟き続けていた。

「不吉じゃ。不吉じゃ。おお怖い。旦那、旦那、どうかこのばばあをその辺に捨て置いてくださいませ。お助けください。旦那。」

息をつく間もなくそんなことを繰り返し繰り返し、呟き続けていた。

男は聞こえない振りをしてただ馬を走らせる。城へと向かって。一刻も早く。

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