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目玉の選択  作者: 一木惨
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魔法の練習

読んで頂きありがとうございます。

つい最近PVが分かる事が判明しまして、アクセスしてくれてる方がいる事を知りました。

ちょいちょい文章が変なことになりますが、なるべく丁寧に書くように頑張ります。

ハコとルビアは食後の散歩に行ってくると言って出かけた。

多分気を使わせてるんだろうな。

アムスはポーション作りに没頭しているらしい。

しかしアムスさんは一体どうやって解析したりポーション作ったりしてんのかね?

なんとなく不思議ポケットの中で何かやってるのは感覚で分かるんだけど、解析したり作成する機材はどうしてるんだろう?

そういえば、今朝の棚卸しで取り出した物品、収納した時より少なかった気がする。

本棚と同じサイズの棚だったから、結構な物量を収納したんだよね。

もしかして、実験機材は先に確保してたのかな?

多分そうだろうな。


私はまたする事が無くなった。

考え事を始めたら、またネガティヴな想像をしそうだったから、魔法の練習をはじめた。

火魔法と風魔法の発動は問題無く出来るようになったので、次は土魔法を使えるように練習する事にした。


アムス先生の講義によると、魔法は大別して4属性あるとのこと。

地水火風の四つ。

最初に覚えた火と風はマナをエネルギーとして扱う魔法で、地と水はマナを変換にする魔法だと教わった。

土魔法はマナを変換して土を生成する。

意味不である。

土を触って土のマナを感じ取り、魔法で使うマナの波長を土と同じにすると土魔法になるらしい。

水魔法も同じ。

水の波長にマナを合わせると、水魔法が発動するとのこと。

身近に水が無いので、地面の土を触ってマナを感じ取ることから始めた。

波長って言っても何の事かさっぱりわからないんだよね。

素朴な疑問として、火と風のマナは感じ取るのはできないんだろうか?と思ってしまう。

そもそも波長ってなんなのよ?

マナを感じ取る事は出来るようになったけど、そこから属性波長をって言われてもね。

「苦戦しているみたいですね。」

「アムス!びっくりしたー。なに?もうポーションできたの?」

「まだです。今はマナの変質中で、膨大な量のマナなので時間が空いたのです。それで、土のマナの波長は感じ取れそうですか?」

「さっぱりわからん!そもそも私はラジオじゃないんだから、波長の受信なんてできないよ。」

「ラジオを受信…面白い発想ですね。確かにマナの波長を感じ取るのは、受信に近いかもしれませんね。」

なにが面白いのか私にはわからない…

「アムス先生、なんかヒントは無いの?」

「ヒントになるかどうかわかりませんが、これまでに調べた魔法の研究についてお話ししましょう。」

そう言って、アムスは講師モードに入った。


「まず、4属性の中で火風と土水が違うと言いましたが、厳密に言うと、4属性に分別する事自体がかなり怪しい事を発見しました。」

「先生、実際に4属性の魔法があるのにですか?」

「そうです。先に言ってしまうと、火と風の魔法は存在していないと言っても過言では無いのです。」

「それは何故ですか?私は火魔法を使えるようになったあと、風魔法を覚えましたよ?」

「アレは属性魔法を覚えたと言うより、マナ操作を覚えたと言った方が正確な表現です。火魔法はマナをエネルギーにして、二方向のマナの動きを接触させた摩擦熱によりマナを燃やした結果です。

同じく、風魔法はマナの回転エネルギーによって風が吹いただけで、実際に物を切断するのは、回転するマナです。マナの形状を切断に向いた形に成形しただけと言っても良いでしょう。」

あ、言われてみれば、思い当たる事がある。

マナナイフで肉をカットする時、ナイフから発する風で肉は切れない。

回転するマナで切断していた。

言ってみれば、マナの丸鋸とかマナのチェーンソウみたいな感じだった。

マナナイフに風の小さな刃ができて、それが回転してるんだと思ってた。

あれ、マナだけの回転だったんだ。

「アイにも思い当たる事があったようですね。火と風の属性魔法がマナ操作の副産物的な効果だとするなら、魔法の属性は土と水の2つと言う事になります。」

「それでは土と水の魔法はちゃんと属性魔法として大系化できるんですね?」

「できます。と言うより、4属性魔法はちゃんと存在するとワタシは考えています。」

無いと言ったり、あると言ったり、どっちなんだいっ!

「前述の通り、マナ操作で得た副次効果を属性と認めたせいで、本来の風と火の波長を感じる事をやめてしまった事が、この世界の魔法を正しくない形にしているんだと思っています。」

「それは火にも風にもマナの固有波長があって、それを理解できれば火や風にマナを変換出来るって事ですか?」

「その通りです。そして火と風の属性魔法は確実に存在していると確信しています。」

「この世界の魔法使いはなんでそこを研究してないんでしょうか?」

「おそらくですが、研究した者もいると思います。ですが、固有波長の発見には至らなかったのでしょう。火も風もマナの波長がとても乱れていて、何が固有の波長なのか確定出来なかったのではないかと思います。」

「先生、その言い方だと、先生は固有波長の確定をしたみたいに聞こえますが?」

「しましたよ?だからアイに教えた初歩の火と風の魔法が属性魔法では無いと断言できるのですよ。」

この世界の不思議パワーをも読み解き、その先を行くアムスさん。

あっちの世界なら、ノーベル賞もらえるんでないかいな?

「それで、各属性の波長を観察して分かったのですが、全部ワタシ達の世界の現象に置き換える事ができます。

土の波長は磁力、水の波長は引力、火の波長は斥力、風の波長は圧力といった感じです。」

「という事は、土魔法を覚えるには、磁力を感じ取れれば良いと?」

「そうです。」

イルカや渡り鳥じゃあるまいし、磁力を感じる器官なんて無いよ…

「アイは方向音痴ですか?」

「失敬なっ!私は初見の町でも駅に戻る道を間違えた事は無いよ!」

「それなら多分大丈夫だと思いますよ。方角を意識して、南北の流れを持つマナだけに意識を集中すれば、土の波長は掴めると思います。」

「分かった。やってみるよ。」

アムス先生の助言に従って南北の流れのマナだけに意識を集中して地面を触る。

すると、その流れのマナだけリズムの違う揺れ方をしている。

「ちょっとやってみるね。」

私はマナを触手に流し、先端から出ていくマナに揺れのリズムをつけてみた。

すると、触手の先からサラサラと砂が落ちていく。

「先生!アムス先生!出来ました!土魔法で砂が作れました!」

「やはりアイは良いセンスを持ってますね。その調子でマナの量を増やしたり波長をもっと正確に出来れば、、砂が土に、土が石になっていきます。おっと、ポーションの様子を見る時間ですね。それではワタシは戻ります。引き続き頑張ってください。」

アムス先生はあっさり消えた。

他の属性のヒントも教えてから行ってくれたらいいのに!

その後私はひたすら土魔法を練習し続けて、ハコとルビアが散歩から戻ってきた時には、砂山 土山 砕石山が出来上がっていて、2人に驚かれた。

「アイ様、なんですかこの山は?」

「ちょっと土魔法の練習。やり過ぎちゃった!」

「土魔法…いいですね魔法。私も魔法使ってみたいです。」

そう言えばルビア進化して魔力が上がったって言ってたけど、蛇眼以外に魔力を行使するような技を使ってなかった。

「ルビア、マナナイフを使った時のマナの動きを覚えてる?」

「はい覚えてます。細長くぎゅっと固めたような感じでした。」

それが分かっているなら

「マナナイフを使わずに、指先からマナを同じように出せるかな?」

「やってみます。」

ルビアは右手の人差し指の先からマナを放出する。

しかし私と同じで左右からの圧迫が難しいらしい。

風魔法(仮)はまだ無理か。

「それじゃあさ、こっちはどうかな。」

私は触手の先に回転したマナを出し、その中に反回転のマナを作って火魔法(仮)を出して見せた。

「これは回転したマナの中に逆回転したマナを作って、その摩擦熱を利用した火だよ。」

「やってみます。」

ルビアは真剣な眼差しで指先から回転したマナを出し、中に反回転のマナを作ろうとしている。

しかし反回転のマナが生まれない。

「そうだルビア、片手でやるんじゃなくて、両手でやってみたら?右手はそのままで、左手から逆回転のマナを出して右手のマナと合わせてみたら?」

私が風魔法(仮)をやった時と同じ要領だ。

すると、ルビアの出したマナが燃えた。

「できた!できましたアイ様!」

「凄いねルビア!今度は片手でできるように練習しようね!」

「はい!頑張ります!」

それからお昼ごはんの時間まで、私は土魔法、ルビアはマナ操作(火)を練習し続けた。


そんな私達を横目に、ハコはつまらなそうに不貞寝していた。

ハコの尻尾が動く度に旋風ができていた。

本物の風魔法でできた旋風。

私達のような初心者魔法ではない風魔法を私やアムスは見逃していたのだった。






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