vol. 05 居酒屋にて ③
彼女はまたレモンサワーを口に含んだ。そしてグラスが空になった。
「店員さん、レモンサワーおかわりで!!。ユキトさんも何か飲む?」
「自分はまだ大丈夫です。」
気を遣ってくれて嬉しい。
もう好きになりそう。
「途中でぶった切ってごめんね。ただ、長い。長過ぎる。」
「う、、、すみません」
自分でも長いなと思ってました。
けど、細かく説明しようと思うとそうなるじゃん!
「ユキトさんてオタクでしょ?」
「はい!!」
もう隠す必要はない。
ってか、指摘された段階で醸し出す何かがあるのだろう。
「オタクって自分の知ってる分野メチャクくちゃ詳しく話すんだよね。まぁ、けど嫌いじゃないけど。」
そういうフォローが心地よい。
オタク、チョロイ
「よし、ワンクッションおけた。話は長いけど面白いから続けて良いよ。だけど、長くなりすぎるときは少しクッション挟もうね。わかった??」
「はい!」
同年代の女性に、わかった?とか少し上から目線で言われると、なんとも嬉しい気持ちになる。
犬じゃないけど、こう言われると何でも言うことを聞きたくなってしまう。
「じゃあ、お願い。ユキトさんの挙げるメリットをJICAが声高に言えない理由が出てくるかわからないけど、兎に角続きを聞かせて。」
「それでは、ODAに関する内容の続きということで。」