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一発ギャグ枠  作者: 藤原(の)コウト
1/1

「都心」


山田「あのー、もしかしてNさん…ですか?」


N「あ、はいそうですー。そちらもしかして山田さん? よかったー! やっと会えましたねー」


山田「いやーよかったです。実はさっきNさんと間違えて、別の人に話しかけちゃって」


N「あーそうなんですか。実はぼくもなんです(笑)やっぱ全身ピンクのタイツってあんまり特徴的じゃなかったですかねー」


山田「3091年春のトレンドですからねー、みんな真似したいんでしょうね」


N「ですね。それにしても色々変わりましたねー、ネオ東京の風景も」


山田「天皇が黒ギャルになってから元号が『ガチ』になって、いろんな企業が混乱してましたからね」


N「総理大臣もめっちゃ狂って円に変わって生肉の発行を始めましたしね」


山田「インク臭かった銀行が今じゃ生肉臭くなってるんでしょうねえ」


N「まあインクなんて旧時代のものですし、最新の印刷技術知ってます?デバイスの超小型化に伴って、そもそも画面が見えなくなったからって、今の子供たちって網膜に直接レーザーで字を書くらしいですよ」


山田「へー、すごいですね。それって網膜傷つきません?」


N「めっちゃくちゃボロクソに傷つきます」


山田「やっぱりそうなんですね」


N「てか、世間話もこれくらいにして、そろそろ本題に入りません?」


山田「そうでしたそうでした!やっと会えましたからね、世間話で時間潰しちゃうのももったいないですよね」


N「そうですね、じゃあ改めて自己紹介させていただきます。お宅の息子さんを先日誘拐させていただきました、誘拐犯の野口と申します」


山田「はい、じゃあこちら、一人息子を誘拐されました、会社員の山田と申します」


野田「すみませんね、電話口では盗聴を警戒して本名ではなく、Nと名乗っていました。ですがもう、こうして直接会えたんで問題ないかと思い、本名で名乗らせていただきます」


山田「いえいえいえ!こちらこそめちゃくちゃパニクっちゃって、つい電話では「息子を返せ!」なんて言葉を荒げちゃってすいません」


野田「いえいえ。じゃあお互い悪かったということで(笑)」


山田「それもそうですね(笑)でも、このご時世に誘拐犯なんてすごいんですね。汚い話、儲かるんですか?」


野田「あっはっは(笑)初っ端からすごい質問ですね(笑)でもはい、厳しい仕事ですけど、一億総監視社会で警察の目を欺くという、やりがいのある仕事ですね」


山田「ですよね、最近なんか特に生まれた子供の首にGPS埋め込まれてますし、マイナンバーも皮膚に掘られてるしでかなりやりづらい仕事だと思います。その中で誘拐犯っていう仕事を選ぶ勇気は、しがないサラリーマンの僕にはないですね(笑)」


野田「いやいや!何言ってるんですか、サラリーマンの方がよっぽどすごいですって!こっちは一応自由業で、時間に都合があるとは言え、毎日決まった時間に起きて会社行って帰ってくる、なんて生活とても僕にはできませんよ!もっと誇りを持ってください、身なりがよさそうな子供を僕は選んで誘拐したんですから」


山田「えー、ほんとですか?ありがとうございます、なんか明日からも頑張れそうです(笑)」


野田「それはよかったです!やっぱり、自分の仕事には誇りを持ちたいですもんね!」


山田「ですね!いやー、なんか励まされちゃったな」


野田「あはは(笑)あ、じゃあそろそろ身代金の方を...」


山田「あっ、はい!ちょっと待ってくださいね...えーと、牛肉A5ランク70枚、A6ランク80枚、A90000ランク五十万枚、身代金として持ってきました。これで大丈夫ですかね?」


野田「えーと、はい、はい、はい...大丈夫みたいですね。ありがとうございます。てか、やっぱそのでかいケーブラ(携帯型ブラックホール)って身代金のためだったんですね(笑)」


山田「そうなんですよ!元は会社の書類とか保管できるかな、と買ったものなんですが、まさかこんなところで役立つなんて(笑)ちょっと感動してます」


野田「通貨生肉ですもんね」


山田「ちょっと困りますよね」


野田「じゃあこれで、身代金受け取りましたんで、息子さんの方お返ししますね」


山田「お手数おかけします」


野田「いえいえ。まさしくん、お父さん来たよー」


山田「おーまさし! 無事でよかったー。網膜にレーザーとか受けてないよな?」


野田「ちょっとちょっとー。僕そんなことしませんよー(笑)」


山田「あはは(笑)冗談ですよー」


野田「あはは(笑)わかってますって(笑)じゃあ僕はこのへんで。本日はどうもありがとうございました。またどこかでお会いしましょー」


山田「はい、ではー。お疲れ様ですー」


まさし「なんなんこれ」


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