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【詩】白と黒・扉
【ジャンル】無(なくなる・むごん)
白い太陽世界に色を与えて
黒い月世界から色奪う
星は色の世界を
ただ見つめる番人で
手を貸すことはまずしない
色褪せた星は
与えられる色でしか
世界は色付かず
悲しく思った鳥は
飛び回りながら伝える
この悲しき歯車を止めようと
しかし願いは届かず
黒い月がまた空に輝いた
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広場に一つの扉 鍵の掛かった守る物がない扉
草原の中、ポツンと一人で立っている
文句を言いたくても南京錠が口を塞ぐ
だから誰も人を通さない
どこに繋がってるのか 誰が通るのか
彼は口をつぐんだまま今日も風に吹かれる
横に並んで秘密事を話しても 反応一つ返ってこない
いつか会話をしたいけど いつか潜ってみたいけど
お喋りすぎる彼は嫌
明日も変わらぬ口の堅さでいてほしい
そんな思いは言わないけど 彼は無言で口を閉じる
彼は鍵の付いた向こうの無い扉 一人静かに扉を閉める