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ドラゴン召喚

なろう初投稿です。

 世界が闇に包まれる。

 視界は黒。真っ黒で何も見えない。さっきまで昼間だったというのに。それもそのはず俺の目の前には真っ黒なドラゴンさんがいらっしゃるのだ。


 大きいですね、体長何mあるのかも分かりません。背中にはゴツい翼。尻尾には触れるだけで切れそうな棘。その鋭い牙…噛まれたら痛そうですね。何食べるんでしょうか?やっぱりお肉?とかなんとか考えて現実逃避していると、


「我をお呼びになったのは貴方か」


 ドラゴンさんはこちらに首を向けながら尋ねてくる。突然のことに答えられず呆然としていると、再度ドラゴンさんが尋ねてくる。


「我をお呼びになったのは貴方か」


 再び威圧するような、どこか安心するような不思議な声がかかる。タイミングを考えるとおそらく俺が呼んだのだろう。首をコクコクと縦に振り、


「あ、あいつを倒して欲しくて」


 すぐそこにいるモンスターを指差す。



 そう、スライムを。




ーーーーーー




 神様の手違いで殺されてしまった俺は、その当の本人に呼び出された。そこでなんやかんや話をして、この異世界に飛ばされた。どうせなら第二の人生を謳歌しようじゃないかって思ってね。

 死んだ事はもちろん悲しいけど、あまり良い人生ではなかったし仕方ない。むしろ異世界に行けるのなら心が躍る。


 その時に神様が悪いことしたから、スキルとかいうものを好きなもの一つだけ選んで良いよって言ったから、1番カッコイイ『ドラゴン召喚』を選んでみた。

 俺はむしろその時死んだ事をラッキーとすら思ったよ。ゲームとかで出てくるあのドラゴンを召喚できるんだから。


 さて、そんな俺は只今なぜかアマゾンも真っ青の鬱蒼とした森の中にいる。周りどころか上を向いても草木が覆い、陽の光がちらちらとしか見えない。木も元いた世界のものよりも遥かに大きい。

 神様、もう少しまともなところに下ろしてください。


 まあ、いつまでもここにいても仕方ない。森を進むには道無き道を行くしかないが、石や木が多く中々歩きにくい。死んだ時に履いていたスニーカーで青々とした香りの中を進んで行く。ここはどうやら熱帯雨林のようなのだが、陽が通らないからかしばらく歩いていても汗はかかなかった。


 少しひらけた場所に出た時、目の前に何か動くものが見えた。大きいゼリーのような、よくRPGとかで出てきそうなスライムっぽいやつ。


 ⋯⋯というかスライムだよな?すごいプルプルしてるし。なんかグロいけど。さっき食べたのであろう生き物の骨とかが透き通って見えている。


 スライムといえば雑魚敵。RPGの基本だ。でも生き物を食べるのであれば関わりたくないな。

 しかし異世界に来たからには戦うのか?正直言うと戦いたくない。出来れば平和な異世界生活を満喫したい。

 だからこっち来なくていいんですよ。すごく近づいて来てるけど。取り敢えず距離を取ろう、というかめちゃくちゃ早ーー



 その瞬間吹き飛ばされる。腹にずっしりとくる嫌な感触。何mも転がり木をぶつかったところでようやく止まる。




 まずい!何あれめっちゃ強い!確実に殺しにかかってきてる。




ーーえ、もしかして俺を食べる気?




 それを肯定するようにスライムがまたゆっくりとこちらに向かってきている。身体中から嫌な汗が出る。逃げようと思っても足が動かない。だめだなんとかしないとーー


 再びのスライムの突撃。顔面に直撃し、また吹き飛ばされる。顎に当たったのか視界がぼやけて仰向けになったまま動けない。

 体から血が流れ、むせ返るような嫌な臭いが鼻をつく。やばい、死にそう。




死にたくない




 俺は神様から貰ったスキルを使う。スライム相手とか、戦いたくないとかどうでもいいです。使わなきゃ死ぬ。食われる!


『ドラゴン召喚』




ーーーーーー




「承知」


 ドラゴンさんはそう言った直後スライムに向き直り炎を吐く。その炎はスライムの体を飲み込み、塵も残さず消滅させた。

 というか周りの木々も消滅した。ドヤ顔をしているドラゴンさん。


「やり、すぎ」


 ドラゴンさんのえ?という顔を見ながら、俺は気を失った。

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