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3話「妹たちと兄妹」

「陽兄ぃ〜、起きてー。 起きないとチューしちゃうよー?」

「うーん……あと5分寝かしてくれ……」

「もう、陽兄はしょうがないなぁ〜。 チュー」

「ちょっと何してんのよ茜!」

「ちょっとちーちゃん邪魔しちゃだめだよー。 今いいとこなんだからー」

「邪魔するわよ! 茜、あんた兄さんに何しようとしてんのよ!」

「ちーちゃん嫉妬ぉ〜?」

「ち、ち、違うわよ!」

「……お前ら俺の上で喧嘩するな……」


 茜と智咲は俺の上に馬乗りになっていた。 周りから見たら羨ましい光景かもしれないが(ぶっちゃけ俺も嬉しい展開だが)まじで重いのだ。 二人も上に乗っかってるからな。


「おはよう陽兄〜」


 茜は俺が起きたのをわかった途端すぐさま抱きついてきた。


「おはよう茜。 智咲。 まずは兄さんの上から降りなさい 」


 俺がそう言うと妹たちは俺の上から降りた。


「……よろしい」

「陽兄なんか先生みたい」


 茜がニヒヒと笑う。


「あほか。 ……お前たち昨日俺が言ったこと、覚えてるか?」

「はーい、覚えてるよー! 私たちは陽兄と血が繋がってません」

「そうだ」

「だからこれからは正々堂々と兄妹恋愛できます!」

「そうだ……ってんなこと言ってねえよ!」


 勝手に捏造するんじゃねえ! 確かに菜摘がいらんことを言ってそんな感じの展開になったけど。 兄妹で恋愛はありえないからな!


「兄妹で恋愛なんてありえないからな! だからこれまで通り普通の兄妹として過ごすんだ。 わかったな?」

「えーーーーー」

「えーじゃないだろ茜。俺たちは兄妹なんだからな。 それはこれからも変わらないんだからな。 なあ智咲」

「……え、あ、うん。 そうよ兄妹なのよ! ありえないわ!」


 おいおい智咲……今の一瞬の間はなんだよ。


「とにかく、俺たちは今まで通り、兄妹だからな。 わかったか?」

「考えとく〜」

「考えとくってお前なあ!」


 俺がそう言うと茜はいつものようにニヒヒと笑い俺の部屋から出ていった。 まったくこいつのこのいたずらっ子のような笑顔、兄の俺としてはとてつもなく可愛いんだよな。 だから大抵のことは許してしまう。


 茜は俺の妹であり、智咲の妹でもある。 出産の時、智咲の方が取り出すのが先だったため、一応智咲が姉ということになっている。

 まあ、今となっては少し抜けているところはあるがしっかり者の智咲は姉として適任だと思う。 茜は自由気ままで末っ子っぽい。 智咲とは正反対だ。

 兄妹で似ているところといえば、自分で言うのもなんだが二人とも俺に懐いているところだ。

 俺は今まで妹たちにたっぷりの愛情を注いできたつもりだ。 俺はたとえ血が繋がってなくても兄妹は兄妹だと思っているから。 だってそうだろ? 今までずっと10年以上も兄妹だったんだ。

 だから恋愛なんてありえないのだ。 そう絶対に。


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