表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/37

12話「妹たちと誕生日」 後編その2

「そろそろ帰るか……」


 公園のベンチから立ち上がり俺は我が家がある方へと足を向けた。

 正直できることなら今は家には帰りたくない。

 きっと我が妹たちはまだお怒りだろうし……

 さっきも必死になって自分がしたことを思い返したが何も心当たりはないし。

 ……悩んでいても仕方ない。

 とりあえず誠意を見せて謝ろう。

 話はそれからだ。


 ︎*


 高崎家玄関にて。


「それにしても陽兄遅いねちーちゃん」

「本当ね。 まあでも行くところなんてないだろうしそのうち帰ってくるわよ」

「……どうかな」

「どういうこと?」

「もしかしたら陽兄、宇宙人にさらわれたのかも」

「んなわけないじゃない何バカなこと言ってるのよ」

「まあそれは冗談として。 迷子になってるのかもね」

「……まあ兄さんならあり得るかも」

「熱海の時も迷子になってたからねぇ」

「あの時は茜も迷子になってたじゃない」

「ニヒヒー、あれはワザとだもんね。 陽兄と二人っきりでデートするための!」

「茜あんたってやつは……はあ」

「ねえ、ちーちゃん」

「何よ」

「ちーちゃんはさ、陽兄のこと好き?」

「はあ、いきなり何言ってんのよ」

「ふうん、好きじゃないんだ」

「べ、別にそうは言ってないじゃない!」

「じゃあ、好きなんだ〜」

「わ、悪い? ていうかそんなの茜も知ってるはずでしょ? いきなり改めてなんなのよ」

「ニヒヒ、ちーちゃんに意地悪してみました」

「茜のバカ! もう知らない」

「ごめんってちーちゃん泣かないでー」

「別に泣いてないわよ。 ……はあ、なんだか茜が羨ましいわ」

「んー、なんでなんで?」

「……兄さんに好き好きって素直になれてさ。 私にはできないから」

「よしよしちーちゃん」

「なんで撫でるのよ! 私の方がお姉さんなのよ」

「そう、ちーちゃんは茜のお姉さん。 ちーちゃんがしっかり者だから茜はこんな風に自由奔放でいられる。 そんなちーちゃんに茜は憧れてるんだよ。 全然近づけないけど」

「……茜」

「陽兄に対していつもデレデレになっちゃうのはもう自分でも仕方ないって思うんだよね。 だって好きなものは好きなんだもん。 だから茜は茜。 ちーちゃんはちーちゃんでいいんだよ」

「……茜のバカ。 私を置いて大人にならないでよね。 私のがお姉さんなんだから」

「おー、よしよしちーちゃん」

「……バカ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ