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12話「妹たちと誕生日」 後編その1

「一体……俺が何をしたっていうんだ……」


 冷水で顔を洗って冷静に考えてみたがこれといって愛する妹たちに怒られるようなことをした覚えはなかった。

 それはそうだ。 俺が妹たちにとって不利益になることをするはずがない。

 愛しているからな!

 ……そういえば何かの番組で突然彼女から別れを切り出されたって話を聞いたことがあるな……

 彼女は男に対して長年不満を持ち続けていて男は最後までそれに気づかなかったんだよな……

 確かあれは恋愛番組で恋愛マスターを名乗る男が「男女の仲というのはひょんなことから破滅に向かう」なんてことを言ってたっけ。

 あの時は女たらしの戯言だと思っていたが……他人事じゃなくなってきたぞ……

 少し外の空気でも吸いに行こう……


 ︎*


「ちょっとレナちゃん押さないでって」

「うるさいわね、あんたスペース取りすぎなのよ痩せた方がいいんじゃないかしら?」

「……もう一回言ってくれない? よく聞こえなかった」

「デーブ! って痛! あんた今わざと足踏んだでしょ」

「さあどうだか」

「てかあいつはいつ来るのよ! さっきからずっとクローゼットの中で待機してるのにまったく来る気配がないじゃない!」

「陽ちゃん、どこ行ったんだろ」

「さあ、ドッグランにでもいるんじゃない? あいつ犬だし」

「レナちゃんねえ……」

「ほんと単純よね。 妹ちゃんたちのこと簡単に信じちゃって。 見てて本当に滑稽よ」

「レナちゃんって本当に酷いこと言うね」

「嫌いじゃないわ」

「え?」

「嫌いじゃないって言ってるの。 あいつのああいう単純というか純粋というか、お人好しなところ。 それにあいつは嘘はつかないもの」

「……ふーん、レナちゃんも結局陽ちゃんのことが好きなんじゃない」

「ち、違うわよ! ただお人好しだから利用しやすいってだけよ! 好きとかじゃないわよ!」

「はいはい」

「はいはいじゃないわよ! もう、早く来なさいよ陽太!」



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