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12話「妹たちと誕生日」 中編

 遡ること一週間前。

 高崎家にて。


「と、いうわけでなく集まってもらったわけですけど」

「……けっ」

「えへへ、ちーちゅわぁーん、茜たぁーん」

「妹ちゃんたち呼んでくれてありがとう。 ……レナちゃんは少し落ち着いてくれないかな」

「何よ。 悪いっての? せっかく妹ちゃんたちにお招きされたのよ。 落ち着いてられないわよ」

「さ、こんなレナちゃんはほっておいて本題に入ろ」

「こんなって何よブス」

「ブ、ブス?! 言ったな! この変態!」

「へ、変態!? 何ですってえええ」

「二人とも黙って」

「あ、あ、茜たぁーん……ごめんなさい」

「ごめんね茜ちゃん……」

「ごほん。 本題に入ります。 この度皆さんに集まってもらったのは他でもない私と茜の兄さん、陽太のことでです」

「え、陽ちゃん?」

「陽太……あ、そういえばあいつ、そんな名前だったわね」

「レナちゃん失礼だよ」

「むー、陽兄の名前も知らないなんて」

「うわあああ。 ごめんね茜たぁーん……」

「静粛に」

「はい、ちーちゃん様!」

「レナちゃん……」

「きもっ……」

「……仕切り直して。 来週、我が兄の誕生日があります。 そこで皆さんに力を貸していただこうと思いまして」

「はい! レナ、ちーちゃんの為なら死ねます!」

「◯ね」

「あ、茜たん酷い……あ、勿論茜たんの為でも死ねるわよ!」

「……それでちーちゃん。 私たちは何すればいいの?」

「はい、兄さんは去年も一昨年も当日になっても自分の誕生日を忘れてる人なので、ドッキリを仕掛けたいと思いまして」

「なるほどね、どんなドッキリなの?」

「それはですね……」



「……といったドッキリです」

「なるほど。 それは陽ちゃんの反応が楽しみだ」

「陽兄にそんなことできない……」

「うう……茜たん優しい……好き!」

「ただの思いつきだけど……皆さん、賛同してくれますか?」

「勿論、陽ちゃんを祝いたい気持ちは一緒だもん。 協力するよ」

「茜、頑張る……」

「はい、女レナ。 ちーちゃんのために一肌脱ぎます!」


 こうして作戦が練られたのであった。

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