↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/37

5話「妹たちと温泉旅行」2日目 智咲side

 私、高崎智咲は素直になれない。

 私の兄さん、高崎陽太の前では特にそうだ。

 いつも兄さんの前では素直になれずにいる。

 きっと兄さんは私のこと愛想悪くて可愛くないと思っているのに違いない。

 兄さんの双子の妹、私の妹でもある茜と比べたら正反対だ。

 時々茜が羨ましいと思うことがある。

 あんなに素直になれたら兄さんに可愛いって言ってもらえるかもしれない。

 でも、私が兄さんに素直に甘えてるとこって想像すると……ちょっとゾッとする。


「おーい、智咲。 俺の着替えのパンツどこにあるか知らないか?」

「そ、そんなの知らないに決まってるじゃない! い、一体何言ってるのよ兄さん!」

「そんな怒るなよ。 いやさあ、俺のバッグに入れたつもりなんだけどなくてさ」

「だから知らないって言ってるじゃない! に、兄さんのパ、パンツなんて!」

「あいよ。 了解」


 兄さんはそう言うと私と茜の部屋から出て行った。

 はあ……思わずため息が出る。

 まったく、兄さんはデリカシーがなさすぎる。

 女の子にパンツとか……ありえない!

 私が兄さんのパンツなんか持ってるはずがない。 汚いし。

 そもそもそんなもの誰も欲しくないんじゃないか……って。


「ちーちゃん、もうすぐ朝ごはん来るって! 」

「あ、茜……頭に何かぶってるの?」

「さすがちーちゃん良いとこに気がつきました! これは陽兄のパンツです!」

「茜……兄さんに返して来なさい!」

「えー、せっかくゲットしたのにぃ〜」


 まったくこの妹は本当に手がかかる子だ。

 ……私たちと兄さんが血が繋がっていないことはうすうす気づいていた。

 茜ともそのことを話していたし。

 何より私は何年か前に兄さんがお父さんとお母さんとそのことについて話していたのを隠れて聞いていた。

 だからこの前の誕生日の時はようやく言ったかという感じでもあった。

 でも、それを知った当初は受け入れられなかったし、意味がわからなかった。

 今になってようやく受け入れられるようになった。

 今思えば兄さんと血が繋がっていないということを知ったあの時から兄さんに対して素直になれていない気がする。


 私だって本当は甘えたい……

 茜みたいに兄さんにベタベタしたい。 兄さんに私のことを可愛いって思って欲しい。

 茜ならともかく菜摘さんには渡したくない。

 兄さんのことが好き……とかはよくわからいけど。


 とりあえず、この旅行中に一回は兄さんに対して素直になれたら……いいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。